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やる気ゼロ学生のLAST RUN  作者: 静寂の月光
5/9

part5――パン食い競争――

サブタイトル適当です(笑)

いうほどパン食い競争に触れません

 自分の席に戻ると、数人の女子が星風と話していた。

 どうやら不安がらないようにしていたらしい。

 急に自分で渡すのが恥ずかしくなり、ちょうど競技から帰ってきた高藤に声をかける。


「悪い高藤、これ星風に渡しといてくれ」


「え? 自分で渡したらって、桐原君!?」


 渡すように頼んでいると、星風がこちらに気付いた。

 期待に満ちた顔でこちらを見ている。

 無性に恥ずかしくなった俺は、高藤に無理やり押し付け、クラスの席を後にした。


 クラスを離れて気付く。

 時間はすでに十二時。

 お昼である。

 タオル事件で集中してて、時間を忘れていた。

 幸いにも、午前は二百メートル走だけである。

 競技をサボってはいない。

 午後の競技は、初めにあるパン食い競争だ。


 ……食った後に運動する上に食べるのかよ。


 ぐったりしながら教室に弁当をとりに行く。


 教室で爽太と合流し、弁当を食べた後の、午後一時。

 今はグラウンドのスタート地点に立っている。

 そろそろ始まる時間なんだが。

 みんなが不思議がりだした頃、放送が入った。


「えー今からパン食い競争が始まりますが、ここで参加生徒の皆さんに連絡です」


 『なんだ?』、という声があちこちから聞こえてくる。


「このパン食い競争、一番タイムの悪い人は余ったパンの処理をしてもらいまーす。以上、皆さん頑張ってください!」


 え?

 グラウンドの参加者が絶句する中、観客の笑い声が会場を包む。

 なんだそのルール。

 聞いてないぞ!


「あっ、いい忘れていましたがパンはここ本部で、手伝いなしで食べてもらいまーす! 逃げられないのでご注意を!」


「「え゛、マジなの!?」」


 参加生徒全員の声がグラウンドに響く。

 その中で俺は一際大きな声を出した。

 これ、俺にとってかなり不利だぞ!

 心の中でそう叫ぶと、ゆっくりと後ろ歩きをする。

 100%負ける勝負、しかも罰ゲームつきを俺がするわけがない。

 さっさと逃げるに限る。


「マ~サ~? どこ行く気だ~?」


 振り向き、走り出そうとした瞬間、爽太に肩をつかまれた。

 ものすごい笑顔でこちらを見ている。


「ど、どこにも行かないよ? はは……」


「そうか。がんばれよー」


 めちゃくちゃ怖かった……。

 苦笑いを浮かべながら、答える。

 爽太が怖いので、逃げるのをあきらめて真剣にやることにした。

 何かいい方法がないか考えてみるが、特に浮かばない。

 体力勝負に作戦無しはしんどいが……。

 仕方ない、全力でぶっつけ本番か。

 覚悟を決め、スタート地点から勢いよく飛び出す。

次回の更新は少し遅れると思います

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