part4――事件解決――
誤字脱字等がありましたら指摘を
息を切らしながら、目的地の体育館倉庫に着いた。
体育祭、校舎外で安全で人の少ない場所なんてここしかない。
俺は、思い切ってドアを開ける。
ドアからの光しか入ってこない真っ暗な中を見ると、予想通りものがほとんどない。
体育祭のため、使う道具は外に出しているからである。
そこに目的の人物はいた。
「黒川!」
「き、桐浜!? なんでここに!?」
「そんなことはどうでもいい。さっさとタオルを返せ!」
「やだね。これは僕のものだ! 僕と七夏たんの愛の結晶だ!」
こいつ、とうとう壊れやがった。
こうなると誰にも手が付けられない。
どうすればいいんだ……。
しかし、七夏たん、さすがに気持ち悪い。
「分かったならさっさとどっか行ってよ。そこに人がいるとばれるじゃないか」
「てめ、犯罪者になりたいのか!」
「犯罪者? ぼくが? ならないよ、そんなもの」
ダメだ、まったく話が進まない。
一向に時間が過ぎていくだけだ。
俺は作戦を変えることにした。
今は、黒川が自分からものを返すように仕向けているが、無理やりタオルを取り返す形にする。
そうすれば最悪のケース、学校外への逃亡は防げるはずだ。
逃げられたら警察沙汰になりかねないし、今日中にタオルが返ってくる可能性がほぼ消える。
それに、そうなったら、個人的にめんどくさい……。
なので、何とかして取り返したいのだ。
……ほとんど、個人的な問題だけど。
肝心の取り戻す方法がないわけではない。
しかし……。
「あれしかないか」
そうつぶやくと、ポケットに手を突っ込み、黒川に勝負を仕掛ける。
「黒川、さっさと返せ! さもなくばこのナイフで斬るぞ!」
俺はポケットから開いた携帯を握った手を抜き、黒川に突きつける。
このために携帯の電源を切っておいた。
俺の言葉に動揺したのか、黒川は、
「な、ナイフだって? そ、そんな馬鹿な!」
と、おびえている。
今しかない!
そう確信すると、俺は畳み掛ける。
「別に信じなくていいんだぜ? その場合、俺はナイフでお前を斬るがな」
「や、やめて……」
「ほら、斬れるぞ?」
そういいながら黒川に、開いた携帯を握っている(黒川はナイフと思っている)右手を突き出し、一歩、また一歩と近づいていく。
黒川は、『や、やめっ!』、とかん高い声で悲鳴を上げながら後ろに下がっていった。
そのまま壁に突き当たると同時に俺は一言つぶやく。
「もう終わりか。……残念だったな」
「うわぁー!」
耳が痛くなるくらい大きな声で叫ぶと、手に持っていたタオルを投げ捨て、外へと逃げようとする。
が、外には俺がメールで手配しておいたファンクラブの皆が。
「よお、黒川クン?」
あ、捕まった。
そう思った次の瞬間には、すでにファンクラブの皆様に囲まれていた。
「これで俺の役目も終わりか」
一言つぶやき、黒川が投げたタオルをしっかり回収して席に戻ることにする。
テストも終わったので少し更新ペース上がるかもです
時間がいまいち取れないので、何とも言えません……
ちなみにテストは惨敗でした……




