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最強のVRMMOプレイヤーは、ウチの飼い猫でした ~ボクだけペットの言葉がわかる~  作者: 椎名 富比路
第五章 最大のピンチ! 飼い主を救うニャー

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第40話 秘密を打ち明ける

「どうかな? お世話になっているんだ。ベルさん……鈴音(りんね)をごまかすわけにはいかないよ」


 ただ、秘密を知られることで、ビビの居心地が悪くなるかもしれない。


 なので、相談したうえで決めたかった。


 ボクのわがままに、付き合わせることになるのだから。


『ニャアは別に、構わないニャ。別にしゃべれても、お話できなくても、ニャアのケントご主人への感謝は変わらないニャー』


 ビビは、快く承諾してくれた。


「ビビはそれでいい? 特に問題が、出たりはしない?」


『問題が発生したら、その度に解決していけばいいニャン。そうやって、ニャアたちは生きてきたニャ。ゲームといっしょニャー』


「そうだったよ。ビビは強いね」

 

 ボクは、ビビの頭を撫でる。


『ニャアと同じように、ベルもケントのことが大事だニャー。きっと、わかってくれるニャー』


「ありがとう、ビビ」


『ケントご主人こそ、今まで隠し事をしてて、しんどかったはずだニャー』


「特に、大変ではなかったよ。ビビと話せて幸せだし」


『そういってくれると、うれしいニャー』


 


 数日後、ボクはベルさんにビビのことを打ち明けた。

 

 それが、助けてもらったケジメだと思ったからである。


 ボクのホームに来てもらい、ベルさんたちビビと会わせた。


「ホントに、あなたはビビちゃんなの?」


『そうニャー。よろしくニャー』


 ビビはボクと接するように、ベルさんにあいさつをした。

 

「声の感じからして、あたしが知っている声優さんの誰とも似ていない。完全に、オリジナルだわ」

 

 ベルさんは不思議がっている。


 だが、すぐに冷静になる。


 ナインくんが、普通にビビと遊び始めたからだろう。


 ビビとナインくんは、薬草畑の隣にある草原に出た。手持ちのゴムボールで、サッカーを楽しむ。


 同じ動物同士だからか、ナインくんとビビとの仲は変わらない。


「ペット同士だと、すぐに打ち解けるわね」


 家の外に設置したベンチに、ベルさんが腰掛ける。


 ボクも、並んで座った。


「はい。通じ合っているんだと思います」


「いつ頃から、ビビちゃんは言葉を覚え始めたの?」


「しゃべりだしたのは、最初のバグ取りのときですね」


 ベルさんを、バグによるロストから救ったときだ。


「あの時からだったのね?」


「はい。ですが、人間の言葉は、それ以前からわかっていたみたいなんですよね」


 ビビはゲームの設定など、細かい内容さえ把握しているようだった。自分のステータスも選べていたし、ある程度の言葉はわかっていたみたい。


「直接、ビビに事細かく聞いたことはないので、わかりませんけどね」


 あまり詳細にビビのことを聞いても、よくわからないと返ってきたのである。


 赤ん坊が自然と言葉を覚えるように、ビビたちネコも、段々と理解していくのだろうと、ボクは判断した。


「それでケントは以前、『ペットが言葉を話し始めたら、どう思うか』なんて聞いたのね?」


 ベルさんがベンチに腰掛けながら、ボクに顔を向ける。

 

「そうです。ベルさんなら、どう考えるのかなって」


「いいと思う。愛情自体は変わらないけど、どうしてほしいとかが細かくわかるのはいいわね」


「はい。病気の時とか、助かるかもしれません」


「そうね」


 ビビが、こちらにやってきた。オヤツをねだってくる。


「わかった、わかった。どうぞー」


 ボクは一旦ゲームを中断して、ビビにオヤツの封を開けてやる。

 

「よろしくねビビちゃん」

 

『こちらこそニャー』


 ボクたちが話をしていると、ちっこいエルフが「こんにちはー」と手を振ってボクの家の畑にやってきた。

 エルフのファンナおばさんである。

 見た目こそ少女だが、実年齢は六〇を過ぎたおばあさんだ。


「薬草をもらいにきたよぉ」


「ありがとうございます。今月分は、こんな感じですね」


 大量の薬草を、ボクは木の皮で編んだカゴに詰める。


「どうもぉ。それとぉ、ポーションの新作を作ってみたよぉ」


 ファンナおばさんが、新種ポーションの試供品をくれた。



 攻撃力を上げる【アタックポーション】と、防御力を上げる【ガードポーション】である。

「ありがとうございます。大事に、使わせていただきます」


「いえいえ。なんかねぇ。お隣のトワちゃんから、『ブス? と戦うよ』って聞いたから、作ってみたのよぉ」


 おばさんが言っているのは、多分「ボス」だろうな。


「ブスっていうから、オークちゃんか、トロルちゃんかねぇ? あたしゃ、ああいうのも愛嬌があってかわいいと思うけどねぇ」


「あはは」


 ボクとベルさんは、苦笑いをした。


「あとは、【聖水】も作ったよぉ」


 弱い魔物を、近づけないようにするという。


 アンデッドを避けるアビリティなら、イチさんのペットであるカメのホクサイくんが持っている。


 聖水は、どの魔物にも効果があるらしい。


「こんなにたくさん、ありがとうございます」


「お店をもらったんだから、これでも足りないくらいだよぉ」


 今からファンナおばさんは、調合のために引きこもるらしい。

 

「またポーションができあがったら、分けてあげるねぇ」


「お願いします。今日はありがとうございました」


 ボクたちは、ファンナおばさんを見送る。

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