嘘
正直者ではないです。
嘘なんて嫌いなのに
無神経にほんとのことをぶちまけて
善人づらしてるやつはもっと嫌いだし
無遠慮にはほんとのことが言えなくて
ハートに釘を打ちこんでるやつを嫌いになれない
やさしい嘘はあっても 正しい嘘なんてないから
ぼくはあのとき
なにを口にしてたらよかったのだろうか
正直者が馬鹿を見るこんな世界で
だれかに馬鹿を見せる正直者にはなりたくないよ
嘘つきと天使からののしられてもいい
エンマさまにこの舌をくれてやる
嘘なんて嫌いだよと
無関係の指さきたちがぼくをさす
わけ知り顔してるやつがそんな偉いのか
無邪気なほど残酷だって知らなくて
ハートに眠る罪の意識はまだ昏睡状態
ガーゼの嘘とまちがえ ナイフの嘘をおしあてた
ぼくはそれとも
かたく口をつぐんでいるべきだったのか
正直者は三度まで 四度めからは
いつしか嘘をつくよ 正直者には生き辛いけど
楽しろと悪魔からそそのかされるとき
かみなりさま ぼくのへそねらってる