表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

2.春野ヒナ

私――春野ヒナは、地味で目立たない女の子だ。鏡に映る自分の姿が、私はあまり好きではない。


 肩にかかる淡い茶色の髪は地味で、肌も透明感があるとよく言われるけれど、褒め言葉とは思えなかった。目は少し大きめで、まぶたの奥に気弱な感情がすぐににじむ。


 静かすぎて、存在が薄い。


 だから、誰かの目に“ちゃんと”映るなんて、考えたこともなかった。

 

 誰かの視線に気づいても、まともに見返せない。

 そんな性格のせいで、「図書室の子」とだけ言われるようになった。


 今日も窓際の席で、分厚い文庫本を開く。


 窓の外には、風に揺れる木々。

 教室より数度低い空気。

 ゆっくりと、心が静まっていく。


 そんな私の静けさが破られたのは、そのほんの数分後だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ