エピローグ
色々あったが、また一生を乗り越えた。
リリジーナという人生も何だかんだで楽しかった。婚約者絡み意外は、だが。楽しいこと、嬉しいこと、たくさんあった。良き親や友人に恵まれ、そこそこ充実していたと思う。
そうして天に帰った私は、神を名乗る存在と再会することとなる。
『貴女、たくさん頑張りましたね』
とても美しい女性の姿をしている。
やはりあの時の神なのだろう。
「びっくりするくらい何回も婚約破棄されました……」
『そうでしょうね』
「もう疲れましたよ、さすがに」
思わず本音をこぼしてしまったところ。
『……良いでしょう』
彼女は微笑んだ。
『では、貴女に、最高にして最大の幸福を与えましょう』
その言葉を最後に光に包まれる。
この魂はどこへゆくのだろう。
◆
「アイニーティアさん!」
「え……」
意識を取り戻した時、目の前には見覚えのある顔があった。
「ろ、ロックさん!?」
そうだ、彼は……。
私が一番愛した人。
傍にいたいと思えた人。
彼が今、目の前に……って、どうしてッ!?
「ロックさん、死んだんじゃ……」
「……復活させてもらえたのです、魔法神に」
「ええっ」
「ですからまた一緒に過ごせます。これからはもう離れないでしょう。きっと、大丈夫です」
そこまで言ってから、少し間を空け、ロックはふっと表情を柔らかくした。
「見に行きましょうよ、海」
こうしてようやく幸福と巡り会えた私は、ロックと共に末永く幸せに暮らしたのだった。
◆終わり◆




