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57.
「行き遅れ女を貰ってやるんだから感謝しろよな」
次の婚約者ロバーテは女を見下したような物言いばかりする人物であった。
「聖女と言ってもお前はただの行き遅れなんだからな、生意気言わず従えよ」
驚くくらい無礼な殿方である。
「ま、せいぜい俺のために働け」
そんなロバーテだが、かっこつけて友人の借金の肩代わりをすると言ってしまったために金銭的な意味で破滅することとなった。
一文無しになったロバーテはある晩ふらりと家を出たきり戻らず、後日山で干からびた肉塊のようになってしまった状態で発見された。
借金返済絡みの事件だったのだろう、恐らくは。
ただ、私から見れば、天罰が下ったとしか思えなかった。
やはり神様はいる。
そう強く感じた。
ロバーテからも無事逃れることができた。




