46.
ルーベズルトンとの婚約が破棄となって間もなく、私は母親の姉の紹介で一人の男性と顔合わせをすることとなった。
正直、あまり乗り気ではなかった。
しかし、私が話を聞いた時には既に決められてしまっていたため抵抗することなどできはしなかったしそんなことをする気力もなかったので、一応そのまま参加しておくことにした。
そんな形で出会った男性ロクノエスは私のことを気に入ってくれ、婚約を希望してくれた。
そうして私は彼と婚約することとなる。
婚約破棄経験があると知りながらも彼は私を選んでくれたのだった。
……しかしその関係さえも順調には進まず。
「ごめん、婚約破棄する」
「え……」
「やっぱり嫌になったんだ。気が変わった。だから……ごめん、さようなら」
彼はそれらしい理由を言うこともしないまま別れを告げてきたのだった。
そんなロクノエスだが、婚約破棄後間もなく落命した。
というのも、友人がふざけて贈ってくれたキノコを食べられるものと思い込んで食べたために体調を崩しそのまま帰らぬ人となってしまったそうなのだ。
キノコを食べて死亡、とは……なかなかパンチのある、恐ろしい最期である。




