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2/68

1.

 それは二十歳の冬だった。

 遡ること一年ほど前に婚約した婚約者がいたのだが、その彼から、突然関係の終わりを告げられてしまう。


「君と生きていく気はなくなった。だから婚約は破棄するよ」


 突如放たれた衝撃的な言葉。

 想像していなかったからこそ受けた衝撃は大きなものであった。


「じゃあそういうことで、さよなら」


 私は何も言えないまま彼の前を去らなくてはならないこととなってしまった。


 言いたいことはあったのに。

 伝えたいことだってあったはずなのに。


 でもその時の私は衝撃を受けすぎていて、婚約破棄というのが理解できる範囲を超えていたことも相まって、ただ呆然としていることしかできなかった。


 また、その日実家へ帰ってからは、とにかく泣いた。


 だが私との関係を一方的に終わらせた彼には天罰が下ることとなる。


 婚約破棄を告げてきた日の次の日、彼は朝寝ぼけたまま自宅の階段を降りていたそうなのだが、途中でうっかり足を滑らせた。寝ぼけた頭で即座に対応できるはずもなく。彼はそのまま階段を転がり落ちて、頭部を強打。しかもその打ち所が悪かったために落命してしまった。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  一度でもつらいようなことを、何度も、ということですか……?  いずれは、と言われても。この瞬間は悲しいですよね。 [一言]  新連載ですね!  お名前もわからぬ彼女がこれからどんな日…
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