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16.

 エリーミネの二人目の婚約者は郵便配達を仕事としている一つ年下の少年とも言えるような雰囲気を持った青年であった。


 彼は可愛らしい雰囲気の持ち主。

 だから個人的には彼のことは気に入っていた。


 しかしある時彼が浮気していることを知ってしまい、そこから、良好であった関係は崩れ始めてしまって。


「もういいよ! ごちゃごちゃ言ってくる面倒臭い女となんて一緒にはいない! 婚約なんか破棄するから!」


 やがて彼はそんな風に婚約破棄を告げてきた。


 ちょっと待ってほしい。悪いのは明らかに彼ではないか、私は問題となるようなことは何もしていない。こちらが意見を言うこととなったのだって、そもそもは、彼が浮気していたからなのだ。


 ……なのにどうして私が悪いの?


「そもそもさぁ、ババアのくせに調子に乗るなよな。俺に指令したりごちゃごちゃ言ったりするなんてあり得ねぇ。年上だろ? 大人しく何でも許せよ。ババアのくせに。ババアには意見を言う権利なんてねぇんだよ」


 しかも心ない言葉もたくさん並べられてしまったのだった……。


 婚約破棄から数週間、彼は亡くなった。

 詳しいことは知らないが、聞いた話によれば、郵便配達中の事故だったそうだ。


 ま、時にはそういうことも起こるのだろう。


 不運だったのだ、彼は。

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