15.
フォリアナは穏やかに生きて死んだ。
結局また結婚はできなかったしそういう意味では幸せにはなれなかったけれど、幸い友人なんかには恵まれていたので、総合的に見れば幸せな人生だった。
そして私はまた生まれ変わる。
新しい姿に。
父親が事業をしていてそこそこ裕福な家に娘として誕生した。
そんな新しい私エリーミネの一人目の婚約者となったのは、父親の旧友の息子であるエーベルという青年であった。
「俺たちさ、きっと、ずっと仲良しでいられるよな!」
「ええそうね!」
私たちは子どもの頃から定期的に会って遊ぶような関係だった。だからこそ絆も固く強いもの。彼とならもしかしたら……なんて思うほどに、私たちは良き友であった。
しかしそれでもハッピーエンドとはいかず。
「すまない、エーベルは亡くなってしまった」
「お義父様……!?」
「昨夜急に倒れてな、それで、そのまま……死亡してしまったんだ」
彼は私を遺して先に逝ってしまった。
そして彼の死によって婚約は破棄となったのだった。
これはさすがに悲しい……。
彼が生きていれば、あのまま結婚して幸せになれたのだろうか……?