11.
思わぬ形で知り合った猫目族の子孫である青年ネコメネートルと婚約者したのだが、一緒に暮らすようになると毎日ごみを贈られるようになって辛い。
そんなある日、彼は、急に引っ掻こうとしてきて。
何事かと焦ったのだが……話を聞いてみたところ、贈り物を喜んでくれないから嫌いになってきた、とのことであった。
「ダカラ婚約破棄シタイ、モウ一緒ニイタクナイ、傷ツクカラ」
彼はそんなことをはっきりと述べた。
「そう……分かったわ。引っ掻こうとするほどだものね、よほど私のことが嫌いになったのでしょう。伝わるわ」
「アンタ最低ナ女ダッタ、ダッテ、オイラカラノ贈リ物ヲ無視シタリ雑ナ受ケ取リ方シタリデリスペクトガ皆無」
「ごめんなさいね」
「イヤデモモウイイ。ダッテオイラタチコレデモウ他人。他人ナラバアレコレ言ウツモリハナイ、ダッテ無関係ダカラ」
こうして婚約はまたしても破棄となってしまったのだが、その数日後にネコメネートルは猫目族の毛皮を狙う狩人に狩られこの世を去ることとなった。
生まれ変わってもなおこの婚約破棄とざまぁのループからは逃れられない。
……いつの日か終わりが来るのだろうか?
もしこのフォリアナの人生が終わっても、きっとまた、次の人生で同じようなことを繰り返すことになるのだろう。
でも、そうなったなら、もしかして永久にループする?