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10.

 町内会で知り合った二つ年上の青年と婚約したのだが……。


「愛してるよ」

「うっそぉ~ん! うふふぅ、いやぁ~ん! ありがとぉ~ん!」


 ある夜、彼の家へちょっとした用事で行ったところ、まさかの浮気が発覚してしまった。


 彼は比較的硬派な印象の人物だった。だから浮気なんていうことは想定していなくて。だからこそかなり驚いた。まさか彼が、と。一瞬脳が完全に停止してしまったほどであった。


 気の利いたことを言えずにいると。


「貴女が婚約者さんですかぁ~?」


 浮気相手の女が話しかけてくる。


「彼、本当に愛しているの、貴女じゃないんですよぉ~? あたしなんです。彼ったら、あたしのこと大好きでぇ~。うふふぅ、こっちが困ってるくらいなんです。彼ってぇ、情熱的な男性ですよねぇ~」


 甘ったるい話し方が不快感を掻き立てる。


「ま、そういうことなのでぇ、貴女は消えてくださぁ~い」

「消えて? どういうことですか」

「まだ分からないの? 馬鹿ね。……さっさと婚約者の座から降りろってことだよ」

「え」

「彼にはあんたみたいなのは相応しくねーってことだよ」


 こうして私はほぼ強制的に婚約破棄させられてしまったのだった。


 だがその日から数日が経って、あの女は死亡した。

 何でも王都の一番太い道路のところで事故に遭ってこの世を去ることとなってしまったのだそうだ。


 また、婚約者であった彼はというと、自身の行動が親にばれてしまったことで大変なことになったらしい。

 彼の親は厳しい人たちなのだそうで。

 婚約者がいるのに浮気なんかして、と激怒され、その日から毎日一日百回尻を棒で叩かれることとなってしまったそうだ。

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