行く旅 戻る旅
手をつなぐ 君と手をつなぐ
少しだけ 大きなコンテナ船が 港に入った
僕たちは きっと幸せになれる
口癖のように うわごとのように
もう一度きつく 手を握り返す
行く旅と 戻る旅
見知らぬ土地に向かう貨物船を
両手いっぱいの想いを抱えて
君と僕は見つめている
手をつなぐ 君と手をつなぐ
きっと幸せになれるよね
きっと幸せになれるよね
手をつなぐ 君と手をつなぐ
優しくてなつかしい歌声が 波間を漂う
踊るように 走るように 歩道橋を駆け上がる君
僕の腕にからむ 君の手が妙に重くなって
君がもっと いとおしくなる
行く旅と 戻る旅
インドネシア行きのコンテナ船の前
君への視線と 僕の気持ち
今は軽く抱きしめた肩へすりぬけた
手をつなぐ 君と手をつなぐ
きっと幸せになれるよね
きっと幸せになれるよね
痛いほど冷たい風が 君の頬に
僕は以前よりも ずっと君を好きになって
静かに 赤い信号の前で 立ち止まる
読んでいただきありがとうございました。
結婚して数年、旅先のホテルで書き留めたような記憶があります。
確かではないですがバンコクだったような気もします。