君が楽しいなら
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
渡ママと渡パパの回です。
人格者だと思います。渡パパ。
あらすじ は渡ママが渡パパに向かって言ってる言葉かと。
両手でスマホを持って、爛々と輝く双眸で画面を見る。頭上にはガッポリとハマったヘッドホン。もう成人は遥か昔に迎え、子供も産まれたのに、彼女の反応がその産まれた子供のようで思わず笑ってしまう。
「何を聞いてるの?」
擦り寄って、囁く様に声を掛けると、雑な動きでヘッドホンをかなぐり捨てた。
画面を見るとサイケな映像が延々と流れている。開眼した男性が仁王立ちのままにギターを掻き鳴らす。それはある意味、カルト的な想像を掻きてて、ぐるりと目が回りそうになる。
もう既に見慣れた光景ではあるが、いや慣れてないな。実際、傍から見れば私の目は点になっているだろうから。
「デスボ」
彼女は悪戯っ子の様に笑って、スカートのままに立膝をつく。膝を軽く叩くと渋々胡座をかく。うん。まぁ及第点でしょう。
きちんと言うことを聞く姿が素直で、思わず娘同様抱き締めてあげたくなった。にこにこの笑顔を怪訝な顔で見つめている。
「お前、行儀の悪さは注意する癖に、私がデスボでサイケで宗教的な音楽聞いても怒らんよな。好きじゃないだろ。こういう荒っぽい系統」
「まぁ好みではないけど。でも、君の楽しそうな顔を見るのは好きだよ」
基本的に知識欲の権化。美術やクラシックなどを好む。お陰様で通った美術館、ホールの回数は知れず。気が合うと思っていた。けれども彼女の方がより許容範囲が広かった。それだけの事。
未だに見詰めてくる私の視線に嫌気が差したのか、罰が悪そうに目を逸らした。
「……かなり人を選ぶから、好きな人は子守り歌代わりに聞くらしいし、嫌いな人はPV見るのも嫌がるし。だから初めて嫌いながらも受けれてくれるのは、その……嬉しい」
「君が、または他人を苦しむ道を選んでないならば、特に言うことは無いかな? 脚」
油断すると立膝をつくのは彼女の悪癖だ。……美術館では、奏楽堂ではお行儀よくしていたのに、何故先鋭的な曲を聞くとこうなるのか。
「お行儀良く聞くジャンルじゃないんだわ……」
初めて渡に聞かせて見たよ☆!!
「……あの……とてもサイケ……? ハードロックと呼ばれる……ジャンル?」
「あー駄目だ。思考が停止してる。まだ早かったか……。まー私もそうだったし」
「え、最初駄目だったの!?」
「マジ、渡りと同じ反応したわー。数年後たまたま流れてんの聞いて、中毒発病した」
そう、そのバンドさんとの出会いは高校生の合宿の時……。
友人から勧められて聞いてみたら、(・⊝・)になったあの日の事……。所謂、思考が停止しました。
今は好きですよ。帰ってきて疲れを取る為に聞くぐらいには。
渡ママ、見かけのお清楚さから、きっとそれなりにお嬢じゃないかなーと。
でも親からの躾と制限が厳しくてこうなってそうな。
この動画も見るの禁止させられてそうな。
故の反発と反動で、口が悪い気がします。
好みじゃなくても、受け入れてくれたらそりゃ懐きますよねー。