テスト・ゲームは終了。そして彩乃は……
24時になった。
海老原らは施設へ向かう。
入り口には、村木彩乃と藍田琴美の2人が立っていた。2人は運営側の大人たちに首輪を外してもらい、自由になった。
「藍田琴美さん。こちら報酬の10万円です」
琴美は海老原から封筒を受け取った。
「村木彩乃さん。こちら90万円です」
ほとんどを葉月が殺し、潤を新が殺した。だがその新を葉月が殺して20万円を獲得。80万円所持した葉月を彩乃が殺した。
古田の分は、葉月が殺したとカウントされたのだろう。
彩乃は人を一人しか殺してない。
たった5日間でこんなに大金……。
彩乃はそんな感動を覚えていた。
「車を用意しました。乗ってお待ちください」
「彩乃さん、行こ」
金の入った封筒をギュッと握りしめた琴美は、彩乃にそう言った。彩乃は「先乗ってて」と言い、琴美を先に乗せた。
「海老原さん」
「はい」
「このバイト、2回目の参加は認められますか?」
海老原は目を丸くしたが、すぐに笑顔に変えた。
「今回のテストゲームをいろいろと改良するために、次のゲームまでにはまた時間は掛かりますが……歓迎します」
テストゲーム。
やはりこれは、ただのバイトじゃなかった。
バイトという名のデスゲーム。
「私、2回目参加します」
「ありがとうございます」
「そうだ、ちょっと聞いて良いですか」
「はい」
「次のゲームで、私、赤グリップのナイフを持ちたいんですけど、武器の予約はできますか?」
海老原は首を横に振った。
「完全ランダムです」
「そうですか……。あと一つ」
「?」
「他に参加させたい人がいます」
◆◆◆
村木彩乃は変わった。
短期間で手にした金に目が眩んだのだ。
彼女は金を見て感動を覚えていた。
同時に海老原は思った。
2回目の参加者がいたら、どう動くだろう。
きっとゲームの進行は変わるはずだ。
「海老原ちゃーん、おつかれ」
「お疲れ様です、神奈川さん」
「いやぁ、首輪も良い感じに作動して助かったわぁ」
「ですね、いろいろ助けられました」
神奈川さんはメモしていた紙を見せてくれた。
「5日って長くな~い?」
「そうですか?」
「もうちょい短くても良かったと思うけど!」
「俺はちょうど良いと思いましたけどね」
ゲームの反省会が始まった。
「カギや赤グリップナイフはビックリしたよ~」
「ゲームをグダグダにさせない為にです」
「その別アイテムを持つ人には、他の人が青いの持ってます~みたいなの言った方がいいんじゃない?」
その後も話し合った。
もっとデスゲームらしい仕組みや、展開。
ゲーム中の欲望イベント等の追加など。
ゲームをより加速させていこう。
海老原たちはゲームの反省会に取り組んだ。
◆◆◆
彩乃は5日ぶりに学校に行った。
親からも先生からも心配された。
だが彩乃は動じなかった。
放課後の教室……彩乃は彼女らと対面した。
明るい茶髪ロングとギャルと、お団子ギャルの2人。
「村木さん……私、不登校になったって思って……心配しちゃったー!」
茶髪ロングのギャルは、彩乃を馬鹿にした。普段の彩乃なら心臓がバクバクして、今にも逃げ出したくなっていた。
「……見て」
彩乃は金を見せた。
10万円の束を。
他の金は家に置いてきた。
その札束を見て、お団子ギャルは目を丸くした。
「5日で稼いできたの。90万円」
「きゅ、90万?!」
お団子ギャルは驚いたが、茶髪ロングのギャルは冷静なままだった。
「援交でもしたのかしら??」
「いや、普通に施設でのバイトだよ」
「施設?」
「私、またそこに行こうと思うんだけど……2人も誘いたくて声を掛けたんだ」
2人は顔を見合わせる。
「何か裏があるんじゃないかしら?」
茶髪ロングのギャルは疑いの目を向ける。
「高校生10人で5日間過ごすだけのバイト。最低10万円……バイトに参加した瞬間から貰えるんだけど、やる?」
「お前も本当に来るんだろうな!?」
お団子ギャルに言われ、彩乃は頷く。
「なら、一緒にバイトに向かう車へ乗りましょ?それなら問題無いわよね」
彩乃の目的はただ一つ。
この女2人を殺す事。
ずっと、馬鹿にされるたびに殺したい、そう思っていた。今までずっっと我慢してきた。
施設に行ったら死体は運営人の大人たちが処理してくれる。ここで殺すより全然リスクが無い。
「どうするの、やるの?やらないの?」
彩乃は2人に強く問いかけた。
これで完結となります!
ここまで読んでくださってありがとうございます!
良かったら他の作品も書いてるので、読んでみてください!
本当に、ありがとうございました!




