ランチタイム(14)
続きです。
翌日。
前日に何があろうが、どれだけ疲れようが休みにはならないわけで・・・・・・。
今日も当たり前に学校だ。
別に学校が嫌いというわけじゃないが、まぁ好きかと言えばそれは別の話だ。
特別仲のいい友人も居ないし、勉強もあまり得意ではないしで、疲れているときなんかは当然家で寝ていたい。
そんなことが許されるはずもなく、そこまで激しく拒絶する理由もなく、結果いつものように登校している。
既に教室は賑わい、後は朝の会を待つのみ。
じきにおっかない担任がやって来て、一日が始まる。
あたしはその時を机に突っ伏して待っていた。
抜けない疲れに微睡んで、時折腕を組み替える。
鼻先が机に触れると、呼気で湿っているのがよくわかった。
チャイムが鳴るまで、まだ少しある。
だからそれまではこうして・・・・・・。
「どらこちゃん・・・・・・ですよね?」
チャイムが鳴るまでこうしていようと思ったら、肩を軽く叩かれた。
降り注ぐのは聞き覚えのある・・・・・・というか丁度昨日聞いた声。
「んぁ・・・・・・?」
あくびを噛み殺して上体を起こせば、そこに見えるのはやはりみこだった。
「なんだぁ? なんかあったか?」
「あ、いや・・・・・・ただ話しかけてみただけですけど、あ・・・・・・と、話しかけない方が良かったですか?」
「あ、いやいや! 全然そんなんじゃないんだ。ただ、何があったのかなって思って」
申し訳なさそうな表情に変わったみこに慌てて訂正する。
とりあえずみこは安心させられたみたいだった。
寝ぼけ目を擦って、改めてみこを見上げる。
その丸い瞳を覗けば不思議と、いつもの朝より少しいいような気がしてくる。
思えば友だちらしい友だちもあまりいなかったし・・・・・・あれ、あたしってもしかして思ったよりかわいそうなやつ?
なんにしろ。
今日は少しだけいい日になる気がした。
続きます。




