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ランチタイム(9)
続きです。
炎の柱に背を向ける。
しかし何かおかしい。
なにかを忘れているかのような違和感が・・・・・・。
「まさか・・・・・・」
そこで一つの可能性に思い当たる。
本来なら、怪物を倒せばあれらは光の粒子に分解され、そしてそれはあたしの石に吸収されるはずなのだ。
だか、今はそれがない。
何かをまずった。
しまったと思って振り向けば、もう遅かった。
相手の形が崩れたのは、燃え尽き絶命したからではない。
炎の中から、まばらに飛び出す黒い影。
「群体・・・・・・」
あるいは分離。
あたしの炎は飛び立つそれらを飲み込もうと手を伸ばすが、一匹でも残れば向こうの勝ちだ。
遅れて燃やされた分のやつらの粒子がこちらに吸い寄せられる。
果たしてそれがあの怪物の全てなのか、それは定かではなかった。
続きます。




