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きらきら・ウォーゲーム  作者: 空空 空
きらきら・ウォーゲーム
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before ever (4)

続きです。

 壊れた都市を光が照らす。

全てを飲み込む重力の渦を吹き飛ばして、その光は闇の中心で輝いた。


「あれは・・・・・・」


 あの、光は・・・・・・。


 ほとんど諦めていた可能性。

私じゃユノを救えなかった。

それでも闇を切り裂いたその光は、ユノに手を差し伸べてくれた。


「勝った・・・・・・勝ったんだ・・・・・・!!」


 本当の意味での勝利。

覆る運命。


「街が・・・・・・」


 雲の隙間から光が差し込み、それが氷を溶かすみたいに水晶を溶かした。

その中からは、人。

きっと、生きている。


「終わったんだ・・・・・・」


 この変化が意味するのは、そういうことだ。

単なる決着じゃない。

大団円じゃないけど、それでも残された希望を掴みとることが出来たのだ。

ユノたちは。


「やぁ、お疲れ」


「あ、スバル・・・・・・」


 どこに隠れていたんだか、すっかりぼろぼろになったスバルがやって来る。

そのスバルは、空を見上げていた。


 ゆっくりと降りてくる、一つの光点。

それはユノをお姫様抱っこしたミラクルだ。


「しかし・・・・・・これ、どうすっかね・・・・・・。地図描き変わるだろ、これ・・・・・・」


「あはは・・・・・・」


 眩しそうに目を細めてスバルが言う。

確かに、この規模じゃスバルにもどうしようもないだろう。


 私はそれに笑って答えることしか出来ない。

一段落したらなんだか必要以上に脱力しちゃって、正直この場で寝っ転がってしまいたいくらいだった。


 私もスバルと同じように、降りてくる二人を見つめる。

これから、あの二人はどうなっていくのだろうか。


 しかし・・・・・・。

きっとあの二人なら、より良い未来というのに辿り着けるはずだ。


「きららー!!」


「ん・・・・・・?」


 どこからともなく聞こえる声に振り向く。


「みんな来るね・・・・・・」


 スバルも振り返って、やっぱり眩しそうな顔で笑った。


 雨上がりの瓦礫の山を、その隙間を縫って駆けてくるみんな。

ゴローとさくらを先頭にして、躓きそうになりながら走っている。


「もう・・・・・・危ないなぁ・・・・・・」


 けど疲れたし、この場所でみんなを待つ。

海の向こうから風が吹き抜けて、それが私たちの髪を揺らす。


 その風は、なんだか特別心地よかった。

続きます。

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