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気持ちの甘さ(改稿版)  作者: 霜三矢 夜新
この幹部は……!
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sweetheart 重要キーワードか? 2

 少し頭を傾けながら考えこんでしまうディリー。

出た答えはというと ――

「うん、まぁ……」もう少し何か言おうとしたけど忘れてしまうくらい大したことのない答え。それ以上でも以下でもないのかもしれなかった。

「だよねぇ!? でも、ね。私はこの話、好きだよ。ウソっぽい部分があっても何か夢が持てるような」

 神父さんの言いたい事がどこか理解出来ているディリーも「まぁ、そうかな」と思ったりした。

「あ、ゴメンゴメン。論点がずれちゃったね。話を戻そう。私的にはね、『優しい』っていうか……何て表現すると分かりやすいだろう? う~ん『汚れなき純粋な心』っていう意味に捉えたんだ。そしてその『SWEETHEART』を持つのはただ1人の少女なんだよ!」


 興奮していた神父さんだが、咳払いをしてまとめに入る。

「ねっ! すごいだろう? たった1人なんだよ。あ~、憧れちゃうなー」

 いつの間にかディリーは身を乗り出すかくらいの勢いで聞き入っている。神父さんがまたディリーの顔先に指を出してきて軽い注意のような事を言った。

「こらこらー、そんなに身を乗り出してはセルジオが起きてしまうよ? 元の位置に戻って戻って」

 渋々といった態度でディリーが元の位置に戻る。

「……でも私は残念ながら『SWEETHEART』の持ち主の情報を掴みきれなかったんだよ。あ~~、見たい見たいっ! 持ち主さんを~!!

……って私はこんなに熱くなってどうするんだか。ゴメン……ね。ついつい興奮しちゃって」


 久しぶりにディリーの表情から心からの笑みが浮かんだ気がした。神父さんは「あっ」と声を張り上げた。

「やっと……笑ってくれたねディリー君っ」

 彼は照れくさくなってしまい――

「そ……そんな事はいいからっ。つ……続けてくれ神父さん」

 そのディリーのちょっとしたうろたえに笑顔になって「はいはい」とたしなめつつニコニコする。

(変な……感じだな……。なんか胸の辺りがくすぐったい。何か暖かい気分になってくる。だが俺がこんなのではルフランも浮かばれないだろうし……)

 思いにふけっていると、神父さんが肩をたたいた。

「どうしたの?ディリー君。話……続けるけどいいかい?」


 内心を少しでも見透かされているようで気恥ずかしかったディリーは実際神父さんにそんなマネが出来ないという事実があるにしても何だか慌てて何度かうなずく。

「その……『SWEETHEART』っていう『心』を持っているのは大……多数が女の人らしいんだ。でも不公平だよねぇ!? <女の人>だけなんてふてくされもんな感じだよっ! おっとォ、また僕ってばやっちゃったようだね。ダメだなー、神父失格かな~。……っととまた話が飛んじゃいそうだよ。ゴメンねぇ」

 ……よく喋る神父さんだとディリーは思った。

「それでねそれでね、その女の人の条件はってゆうとね『ロングに近いセミロング』『薄緑の』『青い瞳』『ロザリオ』……伝承ではこれに全部当てはまっている人が『SWEETHEART』を持っているんだって」


「へぇ……」

 少しでも興味をそそられたのでディリーはつい声を出す。

「ん~、いかにも夢見る少年っていう顔をしているね」

 その神父さんの言葉を聞いてディリーは赤面してしまった。神父さんが「照れない照れない」と背中を叩く。それで更に意識させられたディリーはますます顔を赤くする。

「ねぇ、ディリー君。『SWEETHEART』の条件に当てはまる人を見かけたら……。私に……報告してくれないか? 私はあまり行動派ではないので人に頼りがちなんだけどね。『SWEETHEART』を持つ女の人を連れてきて、ぜひっとも私に声をかけて欲しい。何十年でも何百年でも待っているからさっ」


 ……何百年……って大げさな、生きているわけないだろうにとディリーはあからさまに呆れ顔になった。

「ん……?」

 隣のやつが目を覚ましたようである。

「おあよ~っ、ディリー。神父さん……」

 寝ぼけた声ながらもしっかり朝の挨拶をするセルジオ。

「こらぁ~、セルジオ―。もう『おはよう』ではなく『おそよう』の時間だぞっ!」

 この場にしらけた空気が流れた。


「あーっはっははは……は」

 神父さんが笑ってごまかすつもりだ。その神父さん、誰かに気づいて助け舟とばかりに注意する。

「カイオスーっ、子どもの相手はありがたいが礼拝が先だ」

「お~~っ」

 その人物があまりに神父さんとそっくりだったのでセルジオは目を丸くした。

「あ……あの……」

「ん? なんだ? セルジオ」


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