クイの様子見? 1
「そんな事言われてもモグモグあたし行っていない所はちょっと……。ゴックン! どこかわからないとこに行くハメになっちゃうよ?」
メイの指摘に一瞬言葉をつまらせるトム。あまり使用したくない能力とメイに聞いた事のある能力使用をしてくれないかと頼む。
「う゛……っ、それは困るな……よし、こーなったらお前あんまりやっちゃ良くねえしやる気も起きないだろうけどアレをやってくれればわかるだろ?」
全くやる気の起きない事をしろといわれたメイが言葉をつまらせた。
「えっ……アレをやれと……」
グレイとメイに知りあうのが少し遅かったデュアには何の事だかわからない。
「ねーねー、アレって何よ―っ」
そんなデュアの質問を聞いて、グレイが丁寧な説明を始めた。
「あっ! そーか。デュアは知らなかったんだよな。メイの特殊能力『スキャン・ハート』のこと」
心に作用する能力なのかと推測は出来ても、良くはわからない。なのでわからなそうにメイの能力といわれているものを想像したデュアは首を傾げる。何だろうとゆっくりとつぶやくくらいしか出来ない。
「す……すきゃん・はぁと、、、、、、?」
まだ理解が追いつかないデュアにグレイが例え話でわかりやすく解説していた。
「そっ! 『スキャン・ハート』はねこう考えてみて。よく医者がCTスキャンとかしている状況は想像できるだろ。あれが何をする機械なのかって事も」
「うんうん」
グレイのわかりやすい解説によって理解が進んできたデュア。少し今までの説明が無駄になってしまうかもしれない結論で最後のわからない部分にきりこむ。
「要するに……だ。『心をのぞく』ってことさ!」
デュアは「ええっ!!」と驚いて……
「あ……あの家バカと同じ……」
前の幹部ヴィアンに可哀想な部分はあったものの、メイにとってはデュアがあいつと同系統の能力とつぶやかれたのが我慢ならなかったようだ。どこが違うのとか踏み込ませずさっさと精神集中を行い出した。
「一緒にしないでよ。アイツみたいにやたら覗かないもん」
軽く謝罪してから、あの丘の風景を思い出すのが必要なのか協力しようとデュアがさっきトムといった丘を思い浮かべる。
「フムフム」
デュアが思い出し終えて――
「うん、わかった。協力ありがとう。よぅっし! 行きましょ!」
メイに捕まっ端末4人全員が瞬間移動しようとする。その前にトムが大切なものを持って行き忘れそうになった事に気づく。話の最中に詰め替えていたらしいライスボールを入れた弁当箱を手に取った。
「おっと、このライスボールを忘れちゃ意味ねぇ」
「改めて、さぁ! みんな。私に捕まって」
白い霧が4人を包み込む。その霧に包み込まれたかと思うと、あっという間に街を一望できる丘までたどり着いた。
「着いたよ。ウフフっ、完璧! あたし天才かも……」
「どこが」
意外と抜けている所もあると知っているので、妹の調子に乗っている言動に対してボソッと聞こえづらい声でグレイが小さく口を開く。
「なんか言った?」
今にも噛み付いてきそうで凶暴な瞳で睨んでくるメイにグレイが両手を振ってごまかした。「なにも」 とばかりに。
少し険悪な雰囲気になりかけているのを察したのか、トムがそんな小さな事は流して雄大な景色を眺めろよとすすめる。
「なっ! ここ壮大で綺麗な景色だろ! ん~~っ、空気が気持ちいーぜ!」
トムに習ってデュアも快適な空気を浴びつつも、ちょうど良い陽気で食欲を思い出したのか早速弁当箱を開けてライスボールを口にした。
「ホントよね。んーっ、気っ持ちいいーん。パクッ」
あまりに美味しそうに食べるデュアを微笑ましく見ていたグレイだったが、何だか自分も小腹がすいてきたかもと思ってライスボールを食べ始める。
「よし、僕も。パクッ」
先に食べ始めた2人に気づいてトムとメイがずるいだろといった感じでライスボールに手を伸ばしていく。しばらくの間、ライスボールを食べる音のみがこの場を支配した。
「はーっ、美味しいねえー。トムにしちゃ珍しく良い場所を見つけてきたな」
一息ついたグレイに軽く嫌味っぽい事を言われたトムだったが、それに気づかずに得意気な表情になる。




