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気持ちの甘さ(改稿版)  作者: 霜三矢 夜新
友情の芽生え
6/112

友情 5

デュアのペンダントの秘密が出てきました。 でもまだまだ序盤です。











わかりづらい話だと思っていたらすいません><


 状況が飲み込めてきたグレイが精霊さんの言いたい事を大体理解する。


『飲み込みが早くて助かります。後はこの魔力の上達できる本と、後がないピンチの時の手助けになる終段のお守りを授けておきますね』


 攻防の装備だけでなく、更にプラスしてアイテムまでもらったのでありがたい気持ちよりも不安な気持ちが大きくなっていっているが、グレイは顔に出さない。それだけ危険に敏感になるしかないと考えながらもとにかくお礼を言う。


「ありがたく頂きます」




 精霊リリィの授け物をもらったグレイにトムは思った。


(おいおい。それじゃあこっちの意見を無視して先に進む事になるかもじゃないか。まぁ、仕方ない。諦めよう)


「みんなっ、やってやろうよ」


「う……うん」


 やはりグレイ以外は話の流れに乗りきれないのか力のない返事が戻ってくる。


『よろしく頼みましたよ、みなさん。頑張ってください』


 もう精霊リリィなんかはこっちが引き受けると決め付けて応援をしてくる始末になっていた。


「は……はい!」


 うっかりグレイがそれに応えたのが運のツキで精霊リリィは歓喜の表情で消えていった。断る事はもう出来ない。トムも覚悟を決めた。少年らしく男の決断。


「わかった。やってやるよ。ところでリリィさん、俺たちの村が荒廃したって言ってたか?」


 事実の確認のためにトムが皆に聞いた。




「ええ……悔しいわ。こうなったらクジャクとかいう奴を倒しに行こう」


 答えたのはデュアである。トムがグレイとメイの方を向くと、彼らもうなずいて肯定の意思を伝えている。


「おう! 行こうぜ!! でもよー、オレ今だに信じらんねえ。あの……生まれ育った村がよぉ……」


 トムの独白にまずはメイが共感する。グレイも気持ち的に切り替えるなんて難しいが、どうにか現状を認識しようとしている姿が痛々しかった。


「そうね……。あたしも信じられないのよ。家に帰れば父さんと母さんが出迎えてくれそうで……」


「気持ちはわかるよ、メイ。だけどデュアの方が魔族に父親の最後の姿を見せられてショックがでかいんだ。オレ達も現実を直視しないといけない」




遠くを見つめながらデュアが呟いた。


「もう私の心には憎しみ、バラスに対するソレが大半を占めるようになっているわ」


「目の前真っ暗な感じだもんな。でもな、デュア? 憎しみに心を支配されんなよ」


 トムはデュアを支えてやろうと心に決める。


「ありがとう、トム。肝に銘じておくわ」


 その時、メイが上空を眺めながらあふれる涙を拭きつつ、思った事を口にする。


「最後に一目会いたかったな……お父さん……お母さん…………」


「わらにもすがる思いだけど、デュアのそのペンダントの事でデュアの親父さんから何か言われていたよな? 声が残されているとかさ」


 トムに問われて、デュアはペンダントについているさまざまなボタン機能を試しまくってみる。すると、左側にあるボタンを押した時、デュアの父親のリアルな声が。


『とうとう発見したな、デュア。信じられないだろうがこの機能は死の世界の人物と三分間だけ話せるというものだ。普通ならありえないと思うだろう? 異世界のアイテムなのかもしれないな。このアイテム!? は』


 思いがけず父親の声を聞けたデュアは感動のあまり声が出なかった。しかし、彼女の父親が時間が少ないという理由から無情な宣告をしてくる。


『デュア、用件は早く済ませてくれ。私もお前とゆっくり話したいがそれを許してくれる程、死の世界の規制は緩くないらしい。で? 何がして欲しい』


「わかったわ、パパ。じゃあ私のことは良いからメイちゃん達のご両親を呼んであげられない?」


 電話の向こう側から人を呼んでいる声が聞こえた。そこでデュアは遠慮がちにしているメイに少し強引に電話を手渡してあげる。


“メイ、グレイ2人とも聞こえる……わよね? 私達はあなた達が生きていてくれただけで安心してこっちで頑張れるってもんよ”


「お母さん……! 私も嬉しい。まさかまた話せるなんて思ってなかったから」


 メイの横からグレイが割り込んできた。


「なぁ、母さん。父さんはいないの?」


“おう、いるぞ。グレイ……メイ……まさか私もこんなことになるなんて思わなかったぞ。情報を教えてやることしか出来ねえけどそれを役立ててくれよな”


 グレイは確認のために自分の父親にも確認する。


“そうだ! 私達はな、村ごとクジャクの側近のヴィアンという奴にやられちまった。奴は翼を気にしていたから何かあるんじゃねえかと思う。それ以上はわからん。私達は陰ながら応援することしかできないが自分達の世界を守りきってくれよ”




 敵の側近の弱点につながるかもしれない情報を聞いたグレイ、これは有力情報だと思う。話すことは終わったとばかりに、グレイの父親がデュアの父親に電話を代わったかのような音がする。



 便利アイテムが何度も出てくる訳じゃないですよ。

このタイミングで、といった所でしょうか。

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