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気持ちの甘さ(改稿版)  作者: 霜三矢 夜新
この幹部は……!
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ヴィアンとの決着をつけろ 3~シーオンによるヴィアンの回想 1

決着を付ける前に回想シーンが入りました。自然と天馬シーオンの一人称になってしまっていますが……難しいですね。。


苦言を呈されても仕方がないかもしれないが、そう物語を進めてしまっているので変えるのも難しい(汗)


改稿に際して違う描写を模索しましたが良い感じにならず。このまま修正した程度で行きます。

「そうなのよ。そう思うでしょ? 何かアイラさんといい……コイツといい、元はいい人だったんじゃないかって思うのよね」

 グレイとメイでヴィアンの事を改心できる方法はないかと考えていると――

(無理ですよ) 

 天馬シーオンの声が響いてきた。

……!? ペガサス……君?

(そうです)

 やっぱり……否定されたメイは複雑な心境になった。そして今更ながら余計な策略を巡らせていてもヴィアンに筒抜けじゃないかとやりづらそうにする。

「はっ!! そういえば君のご主人って人の心を読むんだった……」

 

 無意識で口にしてしまっているメイの発言にシーオンが律儀に答えていた。

(そうですよ。ただ、今のように心が不安定な時にそんな事をする事は出来ないかと)

 

 その頃のヴィアンは一人、自らの体に起こっている異変と戦っていた。足どりふらふらしながら目まいに耐えている。


(う……畜生……! 私は……もうこんなこころはないはずなのに……!?)

 そんなご主人の様子をつぶさに観察しながら、シーオンがありのままの事実を述べた。

(感じます……。ご主人のココロが再びよみがえる気がします……)

 そんな一連の状況に対応しきれないメイが疑問を口に出す。

「どうして!? どうして一度取られたモノが戻ってくるの!?」

 

 グレイが少し考えればわかりそうなものだろといった様子でメイに軽口を叩いた。

「バッカだな~、メイ」

 むうっとした表情でメイがグレイに言い返す。

「バカとは何よーっ」


 仕方ないなと言った感じでグレイがヒントを出す。

「――いくら魂を売ったからってそれが少しでも残っていたら……」

「あ……! そっか……やっぱり元は人間ということなのね」

 頭の回転の良いグレイを、シーオンは素直に賞賛してその後でこの人達になら話をしてみていいかという気になった。


(その方の言う通り……ヴィアン様……いえ、ご主人はあなた達と同じく正義感の強いお方だったのです……)


――そして少し長い、ヴィアンの過去のすべてを知っているシーオンの話が幕を開けた――



(ご主人は――――)と過去を話し始めるシーオン。

(あなた達と同じように実は正義に生きていたのです)

 信じられなかったメイが素っ頓狂な声をあげる。

「えーーっ、うっそぉ~~!?」

 そんなメイを注意するようにグレイが人差し指を口元に当てて静かにするようジェスチャーを送った。

(本当です。信じられないでしょうけど)

 グレイの注意の効果かどうかは定かではないが、うってかわってメイの顔が真剣な表情になる。

("実は")


「実は……!?」 間が空いているのでメイが息を飲んだ。

(ご主人は人情が熱かった人間でして。よくみんなに慕われていたのです)


 そして話の途中でこう前置きする。

(これからは私達の回想シーンです。私は元は単なる一頭の馬にすぎなかったのです……。ですが……)


            ◇            ◇


「シーオン! 今日は良い事があったんだよ」

(それは「どのようないい事」なのですか?)

 ご主人ヴィアンは動物好きで、まるで本当に考えていることを語ってくれる不思議な人間でした。だからご主人も私のような馬の考えも見通していたかもしれません。

「へへーっ、聞いてくれるよなーっ」

 本当に嬉しそうな表情をするのでシーオンにもわかりやすかった。馬の私の瞳と首をゆっくり上下に動かして肯定するかのような動き。それで話を聞いてくれている気になったのかもしれませんね。

(ええ。もちろんですとも)


そうそう、あなた達には伝え忘れていましたね。この頃のご主人の年齢は10代半ばといったところでしょうか。話しに戻りますね。

「実は俺、悪者退治に参加できるんだ~っ。う~~、わくわくするなぁ! 早くその日が来ねえかな」

 自然と笑みをこぼしているご主人に私はすりよりました。

(ふふっ、良かったですね。ご主人)

「うんっ」


 とりあえずここまででメイがこの人にもこんな時があったんだなと納得していた。それを確認したシーオンが話を続ける。



(ははぁ、もしかしてご主人の想い人まで悪者退治に参加しているんじゃないでしょうね~)

 私の意地悪な雰囲気を敏感に察したご主人がうろたえました。

「バッ、馬鹿いえーっこのヤローッ! な……何で……マーガレットが悪者退治に行かなきゃいけねえんだよ」

 照れているご主人に私は目線で想い人が着いてきたがったら? と問いかけたのです。

(でもマーガレットがご主人について行きたいとわがままを言ったら?)

 私の意地悪が度を越してしまったのか、予想よりもご主人がムキになってしまったので失礼しましたとばかりにしょげかえりました。


今月の更新は後1~2回

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