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気持ちの甘さ(改稿版)  作者: 霜三矢 夜新
友情の芽生え
5/112

友情 4

 精霊さんに聞かれて、デュアは仇への怒りをあらわにする。

「ええ…………。どちらにせよ私の心を深く傷つけてくれたバラスだけはこの手でお返ししないと気が済まないから」

 デュアの怒りを受容しながらも、精霊さんはデュアへの気遣いを忘れていなかった。

『その憎しみは“優しい心”が強いからこそ感じる気持ちです。その心を大切にしてください』

「はいっ!! ありがとうリリィさん」

 

そして精霊のリリィが消える前にデュア達全員に装備品を託してくれた。続けてレベルまで(異なる世界!? に勝手に連れてきたお詫びだって)

『あなた方にはこれを預けます。男の子二人にはメンタルソードとマジックアーマー、女の子二人にはグムリーのムチを差し上げます。女の子に防具がないということはわかりますね、トム・グレイ? どうかお願いします』


 4人のレベルが10になった。


デュア レベル10 適応能力24 かしこさ71/トム レベル10 適応能力18 かしこさ57


グレイ レベル10 適応能力21 かしこさ78/メイ レベル10 適応能力22 かしこさ69

 

 精霊のリリィがいなくなった場所の光が消えるといつの間にかリリィはいなくなっている。四人はしばらく呆然としていた。

「うわっ、オレ達の格好が変わってるぜ!?」

 トムは驚きをそのまま口走る。

よろいっていうからもっと重いかと思っていたけどそうでもないんだな」

「そうだね」

 グレイも賛同した。何気なく辺りを見渡したデュアがけげんそうな顔をする。

「ねっ、ねえ。ここ、あたし知らない……」

「そんなハズねえだろ」

 トムの目にも見たことのない景色が飛び込んできたのでそれ以上言葉が出なかった。


「建物なんかもほとんどないね……草原が広がっているだけだよ」

 グレイも当惑している。

「ねえ? リリィさんを呼ぼう。あっ、あたし召還の道具を持っているから」

 メイが巻物を持ちつつ、あせってそう言った。

「やってみてくれる?」

「やってみるわ。任せて!」

 何やら呪文らしきものをメイが唱えていく。

「精霊リリィさん。今、ここに姿を見せよ」

 メイの呼び声に応じてどことなくだるそうにリリィさんが現れた。

『ん~? 何ですかぁー。せっかく気持ち良ーく寝てたのに…………で? 何かご用ですか』

「ここがどこだか知りたいの」

 

 眠そうにリリィさんが私を呼ばなくても知っている人がいるはずなんだけど……と答える。

『メイ、デュアならここを知っているはずなんですが』

 名指しでそんなことを言われても、デュアにはこんな場所に来た覚えはない。何で私が知っている前提なんだろうと思うくらいだった。

「リリィさん、私こんな所知らないんです」

 そんなはずないんだけどな~といった感じになりつつも、リリィさんはちゃんと教えてくれたのでまだ良かった。

『そうですか。ここがわからないのですか……残念です。まぁ覚えがないなら教えましょう。ここは裏の世界ですよ』


 精霊の突拍子のない言葉に、トムがうろたえながらも聞いた。

「う……裏の世界!? み……みんなは!? 俺達の世界の人達が心配して待っているんじゃねえか?」

 精霊リリィが瞑想を始める。するとたちまちリリィの表情が悲痛なものに変わり、重くなってしまった口をどうにか開いた。

『私も辛く思いますが……悲しいことにあなた達の村は…………魔物に攻め込まれて壊滅状態にされてしまっています』

 信じられないといった表情で口に両手を当てて、それからメイは覚悟を決めてリリィに訊ねる。

「うっ、うそでしょ!? ねぇ、リリィ? 私達のお父さんとお母さんも!?」

『ええ、メイ。私の守護が間に合わない内に瓦礫の山に埋もれてしまいました。ごめんなさい』

「なっ……んでそんな事するの……!?」

 

 デュアはメイの怒りを代替したかのようにとてつもない怒りに襲われる。

「許せない、許せないわ!! ねえリリィ。そのクジャクとかいう奴はどこにいるの? 教えてちょうだい!!」

『ここからずっと東に不気味な城が建っています。たぶんその中にいるでしょう』

 ここぞとばかりにグレイがリリィに素朴な疑問をぶつけた。

「リリィさん? どうしてボク達にこんな立派な攻防の装備をくださったんですか?」

 精霊さんが「その説明はします」と語り始める。

『グレイ……それは教えようと思っていました。ちょうどいいですね。その鎧と剣にムチは相当の魔力を持っていないと使いこなせません。あなた方の魔力の素質を見極めて選ばせて頂きました』

「なるほどっ。ボク達を魔法戦士のように」

 

 優しい心を持っていても、静かに復習を心に秘める

そんなキャラはいくらでもいるでしょう?

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