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気持ちの甘さ(改稿版)  作者: 霜三矢 夜新
友情の芽生え
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ヴァルマーのヘマ 2

 この作品での通常レベルは、HPの高さとかにしか反映されない。


「適応能力レベル」と「かしこさ」でシャドーマはデュア達には……ね?

 ヴァルマーは耳打ちするために(内緒話をするかのような感じ)バラスに近づいてもらい、占い師マーヤに依頼された仕事の事まで話す。

「ふむ。最後のチャンスだからな。しっかりやれよ」

 ヴァルマーがバラスに釘をさされる。

「はは! ご期待に添えるように成功して参ります」

 失敗したら後はないという事でヴァルマーは連れて行く部下を慎重に探そうとしていた。

「小娘達の動きを抑制するには当然このトムとかいう小僧を連れて行くのは得策だな。あともう一匹、そうだな、私の命令に忠実な奴でも連れて行くか」


挿絵(By みてみん)


 

 自らの作戦が完璧だと思い込んだヴァルマーが城内に高笑いを響かせる。

「ふはっはっはっはっ、これ以上チャンスがないのだからこのオレ様の知能をフル回転させるしかないからな。一応用心のために闇ワープ空間装置でも持っていくとするか」


 その頃、デュア達一行はテーベの町に向かって歩き続けていた。

「はあ~あぁ、疲れたぁー。長いよー、次の町までの道のりが! もうやだぁーっ。歩けないよお」

「こらぁっ、そんな事言ってるんじゃない。みんな同じ思いなんだから弱音吐いたりしないで」

 グレイは双子の妹であるメイを鼓舞して歩かせようと思っていた。でも足が棒状態になっているメイはなかなか動こうとしない。グレイが困っているとデュアが助け舟を出す。

「だってー、疲れたもの! グレイのいじわる君めっ!」

「まあまあ、地図で確認したんだけどもう少しで着きそうだから。ねっ?」

 

 少し考えたメイは再び歩き出す気になったようだ。

「う~ん、もちっとなら歩けそう」

「さぁ、再出発――!!」

 その時、水面下でヴァルマーが自慢の部下に立ち塞がらせるように狙っていた。そして頃あいを狙ってけしかける。

「行ってこい。シャドーマよ。期待を裏切らないようにな」

「ははっ、光栄にございます。ヴァルマー様から激を頂けるとは」

 デュア達一行に奇襲をかけるような動きで彼らの前に現れたシャドーマという魔物は余分な口上を言い出した。


 シャドーマ レベル28 適応能力レベル 20 かしこさ41


「くくくっ、ムシケラどもめ。オレ様の名前はシャドー族のシャドーマ。ヴァルマー様に代わってこのオレ様が貴様らを倒してやる」

 グレイが冷静にツッコミを入れる。

「まんまのネーミングだね」

「うっ、うるさい。バトルスタートだ」

 突如現れた手強そうな敵にデュア達一行はまだ取り乱していた。

「どっ、どうしよう。私達ってまだ戦いは不得手なのよね」

「それなら私の召喚術なんてどう?」

「メイ、今度は失敗しないでよ」

 なかなか攻撃してこないので無視されていると勘違いしたこの魔物が怒り始める。


「こらーっ、オレ様を無視すんな。気づいているのか――――!!」

「お……おれ様!? プー、あ――はっはっはっはー。思い出し笑いが。ウケるよねー、あいつ。ドジな野郎だったよねーっ」

 シャドーマという魔物の言葉を聞いていて双子ちゃん達は思い出し笑いが止まらなくなりつつある。

「そうだなーっ。ありゃ面白かった。あーっはっはっはっ。思い出すだけで」

「き・さ・ま・ら~~、何を笑っている」

「ぷはーっくくくく。ますますそっくり。お前ヴァルマーの部下なのか!? どうりで怒りポイントが似てるなー」

 物陰で様子を見ていたヴァルマーは一般魔物と同類扱いされた事実にイライラ、怒りを必死にこらえていた。


「貴様ら―、ヴァルマー様と俺のようなやつを一緒にするな。凍えてしまえ、冷気の息」

 どこからともなく集まってきた冷気(空気中の水蒸気だとかそういったもの)を吸い込んだシャドーマがそれを増大させてデュア達全員に当てるように固める。その攻撃には予備動作があったので、グレイがデュアとメイの盾になるために立ちふさがろうとしたのだが、少し遅れた。だが、それでデュアとメイの戦闘意欲(主にメイの)が高まったので結果オーライかもしれない。

「冷た……! よくもやってくれたわね。フレイング」

 炎の玉をぶつけるメイの低級魔法に、シャドーマは避けようと回避動作に。行動でうっかり弱点を知らせているようなものだ。


「ふーん、そうなんだ。へぇ~っ、アホな魔物ねあんたも。弱点を教えるなんて。バカの部下はやっぱりバカって事ね」

 シャドーマは自分の弱点のことよりも、尊敬する魔族を馬鹿にされたことが許せないようであった。

「あり得ん! ヴァルマー様を馬鹿呼ばわりだと!? ヴァルマー様はドジを踏んだことはないんだぞ。電気の魔法は魔族一だしな」

 ぺらぺらとヴァルマーの情報を聞いてもいないのに、話してくれているこの魔物。(電気の魔法については本当な感じがする)グレイは隙だらけなので剣でダメージを与える。

「ドジを踏まない? それこそ馬鹿な!?  貴重な情報を垂れ流してくれてありがとうよっと」

 グレイが剣の一閃で、シャドーマの肩から胸の部分を斜めに斬る。普通の影なら実体がないだろうが、この魔物は実体化しているので結構ダメージを受けた。


「ぐ……ぐわ。やりやがったな。予想以上の痛手を負っちまったぜ」

 その後、シャドーマは普通なら考えられないことに経験値とお金を差し出してきて命乞いをしてきた(こいつのヴァルマーへの忠誠心なんてタカが知れているとわかる)そのおかげでレベルも上がって新魔法を覚えられたデュア達一行はシャドーマを逃してやることにする。どうやら新魔法の詳細についてはまだわからないみたいである。



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