第5話 和解
翌日、朝
簡単な朝食を良介の部屋で家族4人でとっていた。
「なんや、朝飯がパンやとしっくりこうへんな。」
父親の雅紀は相変わらず賑やかに、文句言いながらも楽しそうに食事をしている。
今日は仕事が休みで特に予定もない為、ゆっくりと休むつもりだったが、弟の康介に頼まれて、一緒に不動産を回る事になり検討している一人暮らしをする候補地を、色々と話し合いながら朝食を済ませた。
洗い物は母親の涼子に任せて、出かける支度を始める。
別室では両親も支度に取り掛かっていた。
雅紀達は良介達に同行するのではなく、折角東京に来たのだからと、日中は観光する事になっていたからだ。
良介がある程度支度を済ませた時に、チャイムが鳴った。
かなり早い時間だった為、普通なら誰が来たんだと不思議に思う場面なのだが、良介は当然のようにインターフォンで応じた。
「早かったな!今開けるから入って来いよ。」
それだけ訪問者に告げてマンションの自動ドアを開けた。
それからしばらくして、玄関からチャイムが鳴る。
良介は直ぐに玄関へ向かい、ドアを開けた。
「おはよ!まぁ、とりあえずあがれよ。」
そう言って良介は客を部屋に招き入れた。
そこで初めて客が来た事に気が付いて雅紀は、良介に声をかける。
「なんや?お客か?何か予定あったんか?」
上着を羽織りながら、リビングへ通された客に視線を向けた。
!!
雅紀は動揺して上着を羽織りかけていた体制のまま固まった。
「あ、茜・・・」
雅紀の前に現れたのは、数年前に上京して働きたいと言い出して、反対する雅紀と大ゲンカの末、その翌日に家を飛び出したっきり、会っていなかった娘の茜が気まずそうに立っていた。
「ひ、久しぶり・・・」
「お、おぉ・・・」
あまりの出来事に茜を直視出来ずに、雅紀は良介に説明を求めるように見つめる。
その視線は想定内だった良介は苦笑いしながら、状況の説明を始めた。
昨日瑞樹を送った後、自宅へ向かう途中に、良介は茜に状況を説明して、茜に両親への和解をすすめていた。
茜は最初、良介の提案に渋い反応をみせていたが、今の自分の状態を胸を張って話せば親は心配してるだけだから、きっと元に戻れるからと説得して、今に至る。
「東京の観光に行くんやろ?じ、時間作れたから、私がガイドするわ。」
目線を雅紀達に合わせず、茜はガイドを申し出た。
これも事前に良介が提案していた事だ。
「折角、茜が時間作ってそう言ってくれてるんやから、行ってきたら?」
良介が優しい口調で、雅紀にそう促した。
口論に口論を重ねて、一番最悪な形になってしまった二人に、なんとも言えない空気が流れる。
まだ固まっている雅紀の肩をポンと涼子が叩いて、柔らかく微笑んだ。
その笑顔を受けて、雅紀の強張った表情が崩れた。
「そ、そうか・・・何か悪いな・・・じゃあ、案内頼めるか?」
「う、うん!任せて!」
絶対に断られると思っていた茜は、思わぬ返答に笑顔でそう答えた。
そのまま、雅紀と涼子を連れ出して、マンションの前に停めてあった車に乗り込み、東京観光ツアーに出発するのを確認した良介は、クスクスと笑って、満足そうな表情を浮かべて、3人を見送った。
「なんや。メッチャ嬉しそうやんか。」
康介が、ニヤニヤして良介にそう話しかける。
「まぁ、あのままいがみ合ってても、しょうがないからな。」
そう言った良介は、上着を羽織って出掛けようと康介に伝えて玄関を出る。
今日は久しぶりによく晴れた天気で、マンションを出た二人は、眩しそうに空を見上げた。
早速康介の要件を済ませる為、希望している範囲を管理している不動産へ向かう。
到着すると早速希望を伝えて、ピックアップされた物件を吟味して、絞った物件を見て回る事になった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
一方、観光ツアーに出かけた3人の車内は、沈黙が支配していた。
気を使った涼子が、色々と話題を振るが、二人共相槌をうつだけで、気まずい空気はそのまま車内を支配している。
その重い空気を破ったのは茜だった。
「あ、あのさ・・・その・・・今、あの時話した職業に就いてるんだ。」
緊張のせいか、関西弁ではなく標準語でそう話しかける。
「そうか。」
雅紀はぶっきらぼうに、それだけ答えるだけだった。
茜はそれから詳しく仕事の説明と自分が努力して作り上げた事を説明しようとした時、雅紀が更に続け出した。
「茜」
「な、なに?」
「お前、今、幸せか?」
雅紀のいきなりの質問に、思わず車を路肩に停めて、雅紀を見つめた。
どんな意図があるのかと探ろうとしたが、雅紀の表情からは裏があるようには見えず、茜は思っている事を話す事に決めた。
「メッチャ幸せやで。やりたかった事をさせてもらって、そりゃ色々苦労もあったけど、後悔とかは全然ないよ。」
茜は真剣な表情を雅紀に向けて、そうハッキリと答えた。
「そうか・・・それならええねん。」
認めてもらえた。
あれだけ反対された事を、初めて認めてもらえた。
ずっと心に引っかかっていた事が、スゥと消えていく。
それと同時に目頭が熱くなるのを覚える。
「うん・・・ありがとう・・・」
茜は口元を塞いで、声を殺しながら泣いた。
もう昔の様には戻れないと諦めていた。
もう実家へ帰れる事はないと思っていた。
もう両親と笑い合える事なんてないと思っていた。
数年溜め込んでいた事から、一気に解放された茜の、涙は止まる事を知らないかの様に、流れ続ける。
そんな茜を見て、照れ臭そうな顔を外に向けて、
「いつまで停まってるねん。観光ガイドしてるれるんやろ?」
「う、うん!そうやな!まかしといて!」
流れる涙を拭って、茜は再びステアリングを握って車を走らせた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
部屋探しに当たりを付けて、物件をキープした良介達が、夕方に帰宅したが、茜達はまだ戻っていなかった。
夕食の事を考えていなかった2人に、今晩は3人で夕食を済ませると茜から連絡が入った。
「うまく和解出来たみたいやな。」
「ほんま世話の焼ける親子やで。」
「お前もな。」
「なんでやねん!」
そんな会話をしながらも、父親達と妹の関係が修復されたのを喜んだ。
「んじゃ、俺らは飲みにでもいくか!奢ってやるよ。」
「マジで?!ええなぁ!でも、良兄が標準語話すとか気持ち悪いんやけど・・・」
「うるさいわ!」
飲みに行く事が決まり、2人は支度を済ませて駅前の居酒屋に向かう。
駅前に到着すると、康介の視界にストリートバスケ用のコートが映った。
このコートは基本的に無料で利用出来る為、いつもは何組かのプレイヤーで賑わっているが、今日はとくに寒いからか誰もいなくて、ネットの脇に誰かが忘れていったボールが転がっていた。
「ストバスのコートがあるんやな!丁度ボールも転がってるし、腹減らすのに、軽く1on1やらへんか?良兄!」
ボールを良介に軽く投げながら康介はそう提案する。
「最近まで現役やったお前とか?!少しは上手くなったんやろうな?」
「あほ!これでも元エースやったんやぞ?運動不足の良兄に負けるわけないやろ!」
2人はコートへ入り上着を脱いで、オフェンス側の良介がディフェンス側の康介にワンパウンドでパスを出す。ボールをキャッチした康介は、すぐに間宮へワンバウンドでボールを戻して、すぐに2人は構えに入る。
「んじゃ!俺が先行で行くぜ!」
「せやから、標準語で喋るなって!キモいねん!こいや!」
ドムッ!
こうしてストバス、1on1の兄弟対決が始まった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「いや〜!志乃があの参考書持ってて助かったよ!流石に値段が高過ぎて、親に言いにくくってさぁ。」
「あはは!わかる!わかる!私も値段言ったら、お母さんの顔引きつってたもん。」
値段的に手を出し辛い参考書を、たまたま瑞樹が持っているのを、この前のお泊り女子会で知った加藤は、その参考書を借りるついでに、勉強会をする為に瑞樹の自宅を訪れていた。
帰宅時、駅まで送る為に、2人でA駅の駅前に到着すると、なんだか人集りが出来ているのを見かけて2人の足が止まる。
「なんだか人が集まってるみたいだけど。」
「ほんとだね!なんだろう。行ってみようか!」
2人は人集りの中に入って行った。
「あれ?あれってさ・・・」
「え?なんで?」
人集りの原因は、ストバスコートでバスケットをしていると2人だった。
プレイしている2人は、素人の瑞樹や加藤から見ても凄さが分かり、ギャラリーからも時折歓声があがる。
「はぁ、はぁ、はぁ、なぁ!いい加減ミスれよ・・・」
「良兄こそミスったらどうやねん!全然決着つかへんやんか!」
始めてからどちらもシュートミスが無く、全くの互角で勝負がつかなかった。
「ね、ねぇ!あれって間宮さんだよね?もう1人の人って誰なんだろ。」
「あの人は康介さん、間宮さんの弟なんだよ。」
間宮の相手が気になっていた加藤に、瑞樹はそう答えた。
「え?えぇ?!間宮さんの弟?!」
相手が間宮の弟だと知って、勝負そっちのけで瑞樹に食いついてきた。
「な、何で知ってるの?しかも名前まで!」
「昨日、ここで偶然康介さんと間宮さんの両親に会って、間宮さんのマンションが分からないみたいだったから、道案内したんだよ。」
「マジか!?てか康介さんだっけ?
メッチャイケメンじゃない?」
康介の見た目が加藤的にストライクだったらしく、興奮して絶賛していた。
「もう!愛奈ったら!佐竹君に言いつけちゃうよ?」
「え〜?!あいつと別に付き合ってるわけじゃないんだからいいじゃんか!」
「それはそうだけどさ・・・」
「そうだ!じぁさ!志乃は間宮さん、私は康介さんの応援合戦しようよ!」
呆れ顔でそう言う瑞樹に、ニヤリと笑みを浮かべながら、加藤がそう提案してきた。
「えぇ?!やだよ!恥ずかしいもん。」
「いいじゃん!いくよ!」
「頑張れ!康介さ〜ん!」
加藤が両手を口元に当てて、大きな声で康介に声援を送った。
その声援にギャラリーの視線が加藤に集まったが、御構い無しに康介に声援を送り続ける加藤を見ていると、昨日の悔しさを吐き出したくなり、瑞樹も両手を口元に当てた。
「が、頑張って!間宮さん!負けるなぁ!」
負けるな!か・・・
2人の勝負の応援しているはずなのに、何だか自分に言い聞かせている気がした。
瑞樹が良介に声援送りだして、益々周りの視線を集める。
その応援合戦を受けて、周りも盛り上がりだして、あちこちで声援が上がり始めてた。
そんな盛り上がりの中、勝負は意外な形で決着を迎える。
「なんや!お前ら!飲み屋で飲んでたんちゃうんかいな!」
瑞樹と加藤の後ろから、大きな声が響いた。
その声を聞いた良介と康介が動きを止めて、声の持ち主に振り向いた。
瑞樹達の後ろに立っていたのは、雅紀と涼子、それと茜だった。
軽い遊びのつもりが白熱してしまい、時間を忘れてバスケに熱中していた為、観光ツアーを終えた茜達が帰宅して、駅前で飲んでると連絡を受けていた3人は、良介達と合流しようと駅前に来ていたのだ。
後ろから聞き覚えのある関西弁に驚いて後ろを振り向くと、雅紀も瑞樹の存在に気が付いた。
「あれ?瑞樹ちゃんやん!こんなとこで何やってるんや?」
「こんばんわ!いえ、偶然通りかかっただけなんですけど・・・あっ!昨日はご馳走様でした。」
そう言って慌てて会釈する瑞樹を見て、加藤は驚いた様子だった。
「え?知り合いなの?あっ!もしかしてこの人達が?」
「う、うん。間宮さんのご両親だよ。」
「こんばんわ!私も間宮さんの友達で加藤と言います。」
咄嗟に雅紀達に自己紹介した。
「そうか!自分も良介の友達かいな!息子がいつも世話になっとるなぁ。」
「いえ!私の方がお世話になってます。」
加藤の切り替えの速さは、雅紀相手でも健在で、難なく溶け込むキッカケを作ってみせた。
「あれ?瑞樹ちゃんじゃん!久しぶり〜!文化祭以来だね!」
「茜さん、お久しぶりです。」
「なんや、茜とも知り合いなんか?」
「うん!瑞樹ちゃんの学校の文化祭で、ウチが担当してるアーティストがライブやる事になって、その時に色々とお世話になったんよ。」
茜は瑞樹と知り合った経緯を雅紀に説明した後に、瑞樹達にとって驚く事を口にしだした。
「そういえば、あの後のトラブルは解決できた?って今の瑞樹ちゃん見たら、無事に解消出来たみたいやね。」
「え?何でその事を知ってるんですか?」
平田達とのトラブル。
それは裏で平田達を潰した間宮と松崎、表は加藤、神山、希、佐竹、それに瑞樹のクラスメイト3-A全員が介入して、助けてくれたおかげで解決出来た。
しかし、あのトラブルを知っているのは、その人間だけのはずなのに、何故、茜がその事を知っているのかが不可解だった。
「ん?何でって、瑞樹ちゃんのクラスメイトを、あそこに向かうように話をしたの私だからね。」
「え?」
瑞樹と加藤は、茜のその話を聞いて驚いた。
確かに当初、クラスメイトを校舎裏に向かわせた人物がいるのは聞いていた。
最初は、それが間宮だと思っていたが、クラスメイトの話だと、女性だったと聞いて、結局正体がわからないままになっていたのだが・・・その女性が茜と知って驚いた。
「それじゃ、皆を校舎裏に向かうように話をしてくれたのって茜さんだったんですか?」
「そうだよ!と言ってもあの時は事情は全く知らなくて、良兄から電話で一方的に指示されただけなんだけどね。」
いきなり電話で間宮から、そう頼まれた事を瑞樹達に明かした。
やはり裏で間宮が状況を把握して、最善の方法で解決に導いてくれたのだと、改めて痛感した2人はこちらに向かってくる間宮に頭を下げた。
「え?なに?どうした?」
頭を自分に向けて下げる2人を見て、間宮はキョトンとして立ち止まった。
「良兄・・・JK2人に頭下げさすとか・・・そうゆうプレイなんか?」
「あほか!どんなプレイやねん!ってそんなんちゃうわ!」
軽蔑の眼差しを間宮に向けて野次る康介に、間宮は全力で否定した。
「あ!これは気にしないで下さい。」
顔を上げた加藤が笑顔でそう言うが、それは無理だと慌てる間宮に
「ほんとに気にしないで。でもこうしないと気が済まなかっただけだから。フフフ」
アタフタしている間宮に近づいて、優しく微笑みながら、瑞樹はそう告げた。
「さて!お前らまだ飲んでないんやろ?それやったら久しぶりに間宮家全員揃ったんや!皆でバァ!っとやろうやないか!」
「しゃーないなぁ!親父の奢りならええで!」
「おう!まかせんかい!」
「そうや!瑞樹ちゃん達も一緒に行かへん?」
雅紀の号令で一気に賑やかな空気が出来て、居酒屋に足を向けた時、茜が瑞樹達を誘った。
「いえ!久しぶりの家族団欒を邪魔したくないので、お気持ちだけ頂きます。」
そう言って笑顔で茜の誘いを瑞樹は断った。
「はは!じゃあな!瑞樹、加藤!またな!」
「うん!またね!間宮さん!」
「康介さんもまったねぇ!」
瑞樹と加藤はそう言って、手を振り間宮一家と別れた。
その晩は深夜遅くまで、賑やかに飲んで、数年間離れていた溝を一気に埋めるように騒ぎ尽くした夜になった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
翌日の朝、二日酔い気味で重い体にムチを打ち、出勤前の支度をする良介に、康介が話しかけた。
「今日、昨日紹介してもらった部屋を仮契約したら、一旦大阪に帰るわ。」
「おお!悪いんやけど、今日アポ取りした予定が、ビッシリで見送り行かれへんねんけど、気を付けて帰れよ。」
「別にええよ。本契約とかでもう一回はこっちに来る時と、本格的には2月中にこっちに引っ越すから、その時はまた頼むわ。」
「そうか!了解や!」
そこまで言うと、康介の表情が変わった。
「あのな、ほんまは昨日2人で飲んでる時に言うつもりやったんやけどな・・・」
「ん?なんや?」
「その・・・優香さんの事って・・・まだなんか?」
康介が優香の名前を出すと、間宮の肩がピクッと反応した。
「なんやねん、朝っぱらから藪から棒に・・・」
「いや、ずっと気になっとって・・・良兄もいつまでも若いわけじゃないんやで。」
「わかってるよ。てか俺の事を心配なんかしてんと、これからの自分の事心配してろよ。」
「そうやな・・・」
そう言って良介は、この話を切ろうとしたが、康介は視線を良介から外して続けた。
「しっかし、瑞樹ちゃんやったっけ?あの子って俺らにとって、何か不思議な縁があると思わへんか?」
「なんでや?」
「だって、あの子をきっかけに俺らまとまったとこあるやん?それに、久しぶりに良兄の顔見て思ったんやけど、あの頃から比べたら随分、角が取れたように見えたしな。」
「そうか?」
「絶対そうやって!だから優香さんの事を良兄に聞いてみたんやから!」
康介が本当は何が言いたいかは、すぐに察していた。
でも、それは康介の勘違いだと言おうとしたが、あえて何も言わずにやり過ごした。
「そうか。んじゃ、俺はそろそろ会社行くわ!」
「おう!いってらっしゃい!またな!良兄!瑞樹ちゃんと、加藤ちゃんにもよろしく言っといてな!」
そう言って間宮は玄関で革靴を靴ベラで履いていると、今度は雅紀が話しかける、
「良介、これで子供達は全員そっちで暮らす事になる。せやから、その・・・」
「わかってる!あいつらの事は、俺がみてるから、親父達は心配せんと、ゆっくり休んでてや。」
雅紀が言い辛そうにしている事を、間宮が先にそう言って柔らかい笑顔を雅紀と、後ろに立っていた涼子に向けた。
「んじゃ!いってきます!」
さっきまでの二日酔いはどこへやら、間宮はそう言って元気に部屋をでた。
口には出さなかったが、ずっと両親の事が気になっていた。
妹との問題も、昨日の酒の席で綺麗に解消して、これからは、また昔のような家族に戻れるのだと思うと、自然と笑みが溢れる間宮だった。