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29  作者: 葵 しずく
第5章 それぞれの想い
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第19話 御招待

 瑞樹達がゼミ仲間達と三度詣に出かけた同日の夕方


 間宮のマンションのロビー前で不審な動きをしている人物がいた。

 その人物は、ニット帽の上に着ていた上着のダウンジャケットのフードを被り、マスクにメガネをかけていた。

 いかにも怪しさ満点の人物は、壁に設置してあるオートロック式のインターホンの前を行ったり来たりしている。

 時折、部屋番号までは打ち込むのだが、呼び出しのボタンを押す事が出来なくて、またウロウロと歩き出す行動を繰り返していた。


 そんな不審な行動を5回程繰り返して、覚悟を決めた様に再びインターホンの前に立つ。


 お、押していいんだよね?

 いつもみたいに強引に突撃しに来たわけじゃないんだし。

 そ、そうだよ!今日は呼ばれて来たんだから、招待されたんだから。

 でも、何で今までそんな事してくれた事なんてなかったのに、いきなり誘ってきたりしてきたのかな。

 ……もしかして、彼の中で結論が出て、正式に断る為に呼んだんじゃ。


 部屋番号を入力して、最後の呼び出しボタンを残すだけになったところで、悶々と考え込んで動きを止めてしまった。

 ボタンに触れるか触れないかの位置で、その人差し指が震えている。


「あの、まだですか?」


 不意に背後から、このマンションの住人らしき人にそう声をかけられた。


「ひゃい!!」


 いきなり思考が内部に向いていたところに、背後から声がかかり驚いて変な返事をしてしまった。

 その拍子に止まってしまっていた人差し指がボタンを押していた。


 リンゴ~ン


「……あ」

 思わず押してしまった事に、呼び出し音が聞こえて気が付いた。

 しまったと思ったが、ここで逃げ出してしまっては間宮に迷惑がかかってしまう。

 ここまで来たらと、腹をくくってスピーカーから間宮の返答を待った。


「はい!」

「あ、私……」

 間宮の声が聞こえて、後ろに並んでいる人からは見えない様に、そっとマスクをずらして一言だけそう返答した。

「よう!よく来たな!入ってきて!」

「う、うん」

 間宮がそう言うと、正面の自動ドアが静かに開いた。

 自動ドアが開いたのを確認すると、待たせてしまった住人らしき人に会釈をした。

 足早にロビーに入りそのまま一階で待機してあったエレベーターに飛び乗り、8階のボタンを押してエレベーターのドアを閉める。


「声色はいつもの声だったな」

 エレベーターが動いている間、いつもの間宮の口調だった事を頭の中で確認して、そんな神妙な話をする雰囲気ではないかもしれないと考えた。


 8階に着き、そのまま間宮の部屋の前に到着して再びインターホンを押した。

「ちょっと待ってて」

 間宮からスピーカー越しに返答が返ってきて、すぐに部屋のドアが開いた。

「いらっしゃい!優希」

「う、うん。こんばんわ……」

「駅に着く前に連絡してくれれば、迎えに行くって言ったのに」

「あぁ、うん……ごめん、忘れてたよ」

 忘れてたなんて嘘だ。

 駅に到着しても覚悟が決まらなくて、沈んでいる自分を見られたくなかったから……


 だって、良ちゃんから誘ってくるなんて今まで一度もなかったんだもん!嬉しいより不安しかないんだもん。察してよ!

 優希は心の中で、間宮から目を合わせずにそう呟いた。


「外、寒かっただろ。さ!入って、入って!」

「……お、お邪魔します」


 間宮の後についていき、奥のリビングへ入ると、外とは別世界の暖かくてホッとする世界が、優希を迎えてくれた。


「はぁ、あったか~い!」

 少し怯えた顔をしていた優希だったが、リビングの暖かさに思わず顔が緩んだ。

「もう少しで出来るから、適当に寛いでて」

「え?何が出来るの?」

「何がって、晩飯一緒に食べようって言ってなかったっけ?」

「聞いてないよ!え?何が話があるとかじゃないの?」

「話?別に何もないけど?」

「……」


 はぁぁぁ

 本当にこの人はいつもそうだ。

 周りの人間の事には鈍感で、意味深な行動を意味もなくとるものだから、周囲の人間が振り回されるんだ

 それは私も例外ではない。


 ずっと肩にはいっていた力が溜息と共に抜けていく。

 それならそうとちゃんと伝えて欲しい。

 寿命が縮まる思いだった。


 拍子抜けした優希は、部屋に入って少し経過してようやく上着を脱いだ。

 こんな寒い夜だから、鍋かと思ってキッチン付近にある食卓に目をやると、そこには土鍋やコンロの姿はなかった。


 ホットプレート?


 優希はポカンとした顔をして、テーブルの真ん中に鎮座しているホットプレートを見つめた。


「よし!出来たぞ!」

 キッチンの方から間宮の声が聞こえた。

 間宮はキッチンから、豚肉やイカや海老を運んできて、最後に大きなボールを両手でしっかり固定しながら、得意気な顔で運んできた。


 ……これって


「お好み焼き?」

「そう!正解!」


 三が日の最終日とはいえ、何故お好み焼きなのだろうと不思議に思うのは当然だろう。

 優希は不思議そうに首を捻っていると、間宮が更に得意気な顔で説明を始めた。


「我が間宮家では、古来より1月3日はお好み焼きを食すとゆう、由緒正しい由来があるのだよ」

 何故か可笑しな口調でそう説明された優希は、思わず吹きだした。


「それホントに!?」

「おぅ!昔流れてたCMでもあっただろ?おせちもいいけどカレーもね!ってやつ。ウチはカレーじゃなくてお好み焼きなんだよ」


 あはははは!


 お好み焼きを推す間宮の口調が可笑しくて、お腹を抱えて笑った。

 さっきまであった不安など、どこ吹く風である。


「んじゃ、早速焼きますか!」


 間宮は手際よくホットプレートに生地をひいて焼きだした。

 次第に香ばしい香りが優希の食欲を刺激する。


 慣れた手つきで二枚焼き終えてから、間宮が冷蔵庫から缶ビールを二本取り出して、一本を優希に渡して、プシュッとプルタブを開けて缶を構えた。


「それじゃ、正月最終日恒例、間宮家お好みパーティーに乾杯!」

「フフフ!乾杯♪」


 2人はビールで喉を潤して、早速焼き立てのお好み焼きに箸をつけた。


「!!えっ!?なにこれ!ホントに美味しいんだけど!」

「ふふ~ん!だろ?そこらのお好み焼き屋には負けないだろ!」

 得意気に間宮はそう言い切ったが、確かに自信をもっていいと思える程、間宮が焼いたお好み焼きは美味だった。


「何が違うんだろ。出汁……かな?」

「またまた正解!出汁の正体は間宮家の秘伝だから、身内以外に口外は出来ないけどな!」

「あはは!何それ!何かアニメの台詞見たいじゃん」

「さ!生地はまだたくさん作ってるから、ジャンジャン食べてくれよ!」

「うん!頂くね!」


 その後は、美味いお好み焼きにビールが進んだ2人は、色々な話をして盛り上がった。


「ふぅ!御馳走様でした。お腹いっぱいだよ」

「お粗末様でした。そっか!喜んでもらって良かったよ。珈琲淹れるからリビングで寛いでてくれよ」

「その位、手伝うよ」

「いいよ!優希はお客さんなんだから、休んでてくれよ」


 そういえば、この前は逆の立場で自分が間宮にそう言った事を思い出した。

 仕方なく間宮の言う通りにする事にして、リビングのソファーに腰を下ろす。


 食器洗濯機を起動させる音が聞こえた後、暫くしてコポコポといい音と珈琲のいい香りがリビングまで届いてきた。

 以前、掃除しに来た時にキッチンにサイフォンが置いてあったのを思い出した。

 あれが自宅にあるのは、相当な珈琲好きの証拠だ。

 ただ、腕の良し悪しがモロに出る代物だから、優希も以前購入を検討していたが、調べれば調べる程、自分には使いこなせないと諦めた経験がある。


「お待たせ!」

 間宮はそう一言だけ言って、ソファーの前にあるテーブルに湯気が立ち込めるカップを二個置いた。


「ありがとう。う~ん!すっごくいい香りだね!」

 カップに顔を近づけて、珈琲の香りを嬉しそうに楽しんだ。

「それはよかった。冷めないうちにどうぞ」

「うん、いただくね」


 優希は軽く珈琲に息を数回吹きかけて、口に含んで鼻から抜ける香りと味を楽しんだ。

「美味しい、ホントに美味しいよ」

 淹れた人間に似たのか、優しい味が優希の味覚を刺激して、ホッと肩の力が抜けてリラックスした。


 向かいのフローリングに座って、珈琲を楽しんでいる間宮をジッと見つめる。

 やはり、しっかりと聞かないといけない気がした。

 本当に単純に食事を御馳走する為に呼ばれたとは思えないからだ。

 フラれる類の話をする為ではないようだが、間宮の真意を確かめないといけない。


「……ねぇ」

「ん?」

「本当にお好み焼きを御馳走する為だけに呼んだの?」

「あぁ、そう言っただろ?まぁ、しいて言えば」

 やはり、何か話があったようだ。

「なに?」

 優希は間宮の次の言葉を待つ両肩に、自分でも驚く程力が入った。

「前に言っただろ?優香の元婚約者の俺じゃなくて、ただの俺を見てくれって」

「え?」

 確かにあの夜、間宮に別れを告げられたあの日に、そう告げられた。

 だが、それと今日の事にどんな関係があるのか理解出来ない。


 間宮は優希が首を傾げる様子を見て、クスっと微笑みながら今日、優希を招待した理由の説明をはじめた。


「大した事じゃないんだ。俺は昔から1月3日に間宮家伝統のお好み焼きを焼く事とか、珈琲はわざわざサイフォンを使って淹れる程、大の珈琲好きな奴だとか、意外と料理が好きだったりする事とかを知って欲しかっただけなんだ」


 優希は自分のネガティブな部分に怒りを覚える。

 彼は言った事を実践してくれただけだ。

 なのに、本当は別れを告げられた時、あんな風に言われたが、心のどこかで本気でそう言っているのではない。

 きっと、その場を流す為に言っただけなんだって思っていた事を恥じた。

 確かに間宮の心は、気になっている人物に傾いているのかもしれない。

 でも、自分の事を見ていないわけではなかった。

 ちゃんと見てくれていて、そして、ちゃんと悩んでくれているんだ。


 今日、ここに来られて本当に良かったと思う。

 この事を知る前までは、本当に何も手が付けれなくてオフが終わった後、どうやって仕事をしようか悩んでいたから。


 優希は本当に安堵した表情で、まだ湯気が立ち込めている珈琲カップに口をつけた。

 珈琲の温かさが体中に染み渡る。

 まるで、間宮の温かさが染み込むように。


「そっか!ありがとう、良ちゃん!」

「礼を言われる事なんてしてないよ」


 間宮の気持ちを受け止めた優希は、それならと話を始めた。


「じゃさ!只の良ちゃんを知る為に、聞きたい事があるんだけど……いいかな?」

「うん?何だ?」

「良ちゃんが言ってた気になる子の事を教えて欲しいの」


 優希は真剣な眼差しを間宮に向けて、決して軽い気持ちで聞いたわけではないのだと、表情で伝えた。


「いや、前に話しただろ?」

「簡単な経緯は確かに聞いたけど、私が聞いているのは彼女に何を期待しているのかとか、どんな気持ちで関わっているのかとか。そして、私と彼女はどう違うのか教えて欲しい」

 違いを知っても、真似をするつもりはない。

 自分は自分である事に誇りを持っているから、真似なんてして振り向いてもらっても何も意味がない事を知っているから。

 ただ、知りたいと思った。

 そもそも彼女は私の事をライバルだと認識しているかは分からないが、もし認識しているとしたら、彼女は私の事を知っていて自分はライバルの顔すら知らないなんて不公平だと思う。


「……分かったよ」


 優希の必死な頼みに少し溜息をついてそう呟き、側にあったスマホを弄る。

 そして、目的の画面を立ち上げて、そのスマホを優希の方へ向けてテーブルに置いた。


 その画面には、元旦に駅前で撮った2人の姿が写っている。


 ……この子が瑞樹志乃か

 優希はその画像を食い入るように見つめた。


「可愛い女の子だね。確かに良ちゃんが好きになるのは分かるかな」

 少し皮肉交じりにそう告げると、間宮はゆっくりと顔を左右に振った。


「そうじゃなくて、その子、本当にいい顔をしていると思わないか?」

 間宮は優希に瑞樹について話を始めた。


「前に少し話したと思うけど、この子は中学時代にちょっと考えられないトラウマを背負わされたんだ。内容は伏せるけど最悪自殺を考えたって可笑しくない程の事だったんだよ」


 そう話す間宮の目が僅かに潤んでいるのを、優希は見逃さなかった。


「出会った頃は、もう男に怯えていて完全に拒絶していたんだ。その分保身の為に自分を殺して周りの女の子に必死に合わせている子だった」


 この事には優希も共感出来る部分があった。

 姉が優秀だった為に、親に見放されまいと、必死に顔色を窺っていた時期があったからだ。


「そんな彼女が少しづつ閉ざした心を開いてくれて、少しづつ本当の彼女を知る度に笑う事が増えていって、その笑顔がどんどん良くなってきた」

 そこまで話す間宮の顔は、まるで瑞樹の兄の様に見えた。

 その表情を見て、妹的な感情なのかと言った間宮の気持ちが理解出来た。

「その笑顔を見せてくれるまで、色々な事があったんだよ。その一つ一つに関わってきたからかもしれないけど、その変化が自分事の様に嬉しくってさ」


「自分から聞いといてなんだけど、嫉妬心が半端ないんですけど」


 ホント勝手な事を言っている。彼は聞かれた事を素直に話してくれているだけなのに


「……でもな、それは優希だってそうなんだよ」

「え?私も?」

「あぁ!アーティストである神楽優希の自信に満ちた姿が本当の優希じゃなくて、いつも自信無さげに生きてきた香坂優希を見せてくれた時、優希の事が知りたくなったんだからな」


 そう話す間宮の顔は、さっきの瑞樹の話の時とは違って、慈悲に満ちた顔でなく、優しい目をした柔らかい顔を見せた。


「この際だから白状するけど、実際優希といる時、ドキドキよりも先に罪悪感みたいな気持ちが先にあったんだ。その罪悪感の正体が何なのか知りたくて、我儘なのは百も承知で優希と離れる事にしたんだよ」


 間宮は申し訳なさそうに顔をしていたが、目は真っ直ぐに優希を見つめてそう言った。


「それじゃ、私を拒絶したわけじゃないんだよね?」

「あぁ!それは断じて違う!優柔不断で申し訳ないけど、単に慎重になってしまっているだけかもしれない」


 慎重になっているのは、姉である優香の事があったからだろう。

 こればかりは、間宮本人でないと理解するのは困難だと言える。

 ただ、自分と別れる為のリップサービスではない事だけは確なようで、優希は心からホッと胸を撫でおろした。


 少し冷めてしまった珈琲を口に運んで、ふぅと一息ついてカップから再び間宮に視線を戻す。


「分かった。良ちゃんの言葉を信じるよ。ちゃんと私の事も見てくれていて、考えてくれている事も、今日私を呼んでくれて分かったしね!」


 片目を閉じてそう言うと、ソファーから立ち上がってハンガーにかけてあったコートの周りに置いてあった変装グッズに手を伸ばした。


「ん?なんだ?もう帰るのか?」

 間宮はそう言いながら時計に目を向けると、8時30分を少し回ったところだった。

「うん!これ以上いたら、また暴走しちゃって良ちゃんに迷惑かけそうだしね」

「あ、あぁ」

 クスっと笑みを浮かべながらそう言う優希に対して、照れ臭そうに頬をポリポリと掻いて顔を赤らめた。


 そんな間宮を横目に見ながら、優希は玄関先まで歩いてブーツを丁寧に履いてから、少し動きを止めた。

 その背中は何か言いたそうに、間宮には見える。

 背中を見ているだけで、優希がどれだけ苦しんでいるのか伝わってくるようだった。


 背中を見せていた優希が、肩にグッと力を入れたように見えた途端、クルリを勢いよく間宮の方に振り返った。


「えっと、これだけは誤解して欲しくないんだけど、私、いつもこんなのじゃないから!」

 突然の宣言で間宮は、何の事を言っているのか理解できずに、黙ったまま首を傾げた。

「私、こんなに積極的に迫ったりする事なんて、今まで一度もないから!こんなの良ちゃんだけだから!もし、良ちゃんに選んでもらえなくて、他の人を好きになったとしても、こんな事は絶対にしない!」

 そう言い切った優希の目には僅かに涙が溜まっている。

 必死に涙を我慢している優希の体がふわりと温かい感触に包まれた。


「……良ちゃん」

「……ごめんな、ありがとう」


 間宮はそう言葉を落として、必死に涙を零すのを我慢している優希を優しく抱きしめた。


 ぎゅっ!

 優希は抱きしめている間宮の背中に両腕を回して、顔を胸元に埋めた。


「……こわ、いよ……怖いよ……良ちゃん」


 背中に回した腕が震えているのが分かる。

 リビングではああ言ってくれたが、今の優希の言葉が本心なのだろう。

 そう気が付いた間宮も抱きしめている腕に力を込める。


 そこまで想ってくれている嬉しさと、不安にさせている申し訳なさが複雑に入り交じる。

 考えようとしている事を、今すぐに放棄して優希の気持ちの応えたくなる衝動を、目をギュッと瞑って必死に耐える事しか、今の間宮には出来なかった。


 暫くして嗚咽が聞こえなくなり、背中に回されていた腕に力が抜けるのを感じると、優希は埋めていた顔を離して間宮と距離をとった。


「ご、ごめん……変な事言って」

「い、いや」


 ふうぅぅぅっと一度深呼吸をすると、不安気な顔をしていた優希の目に力が戻った。


「あのさ、また誘ってくれる?」

「あぁ!勿論だ!」

「よかった。じゃ、またね!」

「駅まで送っていくよ」

「ううん!いいよ!ちょっと一人になりたいし」


 そう言って断りを入れた優希は最後にニコッと笑顔を見せて玄関から姿消した。


 分かっていた事だ。

 自分の我儘で、優希を酷く傷つけてしまう事は


 だからこそ、情に流されてしまったら優希を侮辱した事になってしまう。


 もうあまり時間がない。

 だが、急く気持ちはあるが、これだけは急いでもいい事がないと思う。

 勢いが大事だという人もいるのだろうが、自分はそういうタイプではない。

 しっかりと考えよう!

 ハゲる程考え抜いて、解に辿り着こう。


 こうして、間宮の2019年の正月が終わりを告げた。


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