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29  作者: 葵 しずく
序章
1/155

一つの時代が終わり新たな時代が始まる部屋で

 



 現在2018年5月26日午後21時03分。


 俺は仕事を20時に終えて、まっすぐ帰宅しシャワーで汗を流して缶ビールをチビチビ飲みながら、壁に掛けてある時計に目をやった。

 あと4時間程で20代が終わり30代を迎える事になる。


 節目だし、折角だから20代を振り返ってみるか。


 志望した大学へ入学して、希望した企業へ入社も出来て、毎日仕事に追われつつも乗り越えて、出世や年収もそれなりの生活を手に入れている。

 恋愛もそれなりに経験しているし(結婚までは至っていないが)

 趣味も興味をもったものには積極的に挑戦してきたつもりだ(長続きしないが)

 同世代の連中の中じゃ[上の下]位にはいてると思う。

(あくまで自己判断だけれど)

 20代を振り返ろうと思ったのは、10代最後の日にも子供なりに振り返った経験があっただけで、特に深い意味はなかった。


 そういえば10代を振り返った時は、本当に色々な変化があり、振り返ってみたら2時間位かかってたっけな。

 それに比べて20代は妙に早く感じる。

 何故こんなに短時間で20代の振り返りが終わりそうになったのか少し考えてみた。

 28歳までの記憶を辿ると確かに得た事や失った事もたくさんあったのだが、その事案に達するまでの経緯が薄かったのかもしれない。

 つまり悩んだり、苦しんで得た事が少なかったように思う。

 要するに本気で悩んだり苦しむ前に、良くも悪くもリスクを回避しようと計算して、結果を得ていたのだと気が付いた。


 それは大人になったからだと言ってしまえばそうなのかもしれない。

 でも逆に言えばもっと深く掘り下げていれば、もっと納得がいく結果が得られたのかもしれない。

 だが時間は待ってくれない!学生の時のような優しい時間はないのだ!


 いつからだろう……深く考え込む前に答えを導く事が出来るようになったのは。

 違う!導く事が出来る気になっていたのは……


 そしてそんな俺がまるで昔に戻ったかのように、頭の中をグチャグチャにしながら、考え、悩み、行動した29歳になってからのこの1年間。

 29歳になるまでは振り返るのが早く感じたが、この僅か1年間を振り返るのにどの位時間がかかるのだろう…

 ちょっと個人的に楽しみである。


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