俺は女の子
設定などすべて考えてませんので、更新には時間がかかります。
いつまでも僕は寝ていた。
もしかしたら世界が僕を残して消えてしまったのかも。もしかしたら僕だけが取り残されてみんな死んでしまったのかも。
そう考えると起きたくなくなる。なんで日が回ってしまうのか。これほどどうでもいいことを考えるのは俺ぐらいだろうな。
しかし、目を開けてみればそこは見慣れた風景で、横に向けて寝ていた状態であることを僕は理解した。
当然だけど、世界が横になっている。
「はぁ」
眠たい。どうしてこんなにも眠たいんだろう。昨日はちゃんと11時には寝たような気がしていたのに。
「てかなん──」
??
ちょっと待ってくれ。すこし待ってくれ。文字ではわからないかもしれないが、違和感がある。声に違和感が。
「あー。あー。」
高い。どうやって記憶を探っても俺はこんなに声が高いことはなかったはずだった。なぜなら俺は友人たちから声が低いと常に言われてきたような奴だったのだから。
「なのに、なんでだ?」
高い。いや、高いのはもちろんだが、どことなく女の子っぽくないか?なんか幼い子供みたいな。。。
いや、落ち着け落ち着け。よく考えろ。自分の体が女の子になるのはフィクションの中だけだろう?
そんなのを信じない。信じてたまるか。そんなものは嫌だ。信頼なんてするか。なんでそんな絵空事を信じてない。信用しない。
そんなことを思って俺は恐る恐る手をみる。
「………!」
おい。なんだこれ。なんか白くね?てかちっちゃくね?いや、もうそれよりも血管が浮いてないのはおかしいだろ。
おい。どうした俺の血管。大丈夫か?
そしてその疑惑の手でもって股にそーっと近づける。
大丈夫、あるはずだ。俺の立派…というわけではないが、それは確実にそこに存在していないとだめだ。
そして触れる。
「………ない」
ない。ない。ない。どこにもない!
「ど、どういうことだよ。おい」
男性器がない。どこにもない。
ま、まさか本当にそれが起こったと言うのか?なんで?原因はどこに?
「いや、まてまて」
まだ信用は出来ない。まだそうだと確信するには早い。
それだということを確信するにはもうひとつ確認するべきことがあるだろう?
「胸を触れば……」
あるわけない。
俺はなんだ?男だろ?
「よし」
そうしてがっと力強くそしてばっと胸を掴む!
『むにっ』
??????????
「あ、ある…」
おいおいおいおいおい!
どういう冗談だ?どんなどっきりだよ。はやく看板持ってこいよスタッフ。
ふざけるなよ。こんなことが許されていいわけないだろ?
「まだ、信じれないだろ」
まだだ。
鏡を見ないとだめだろ?
そこでやっと確信できる。自分のことは自分が一番知っている。絶対に俺は正しいはずだ。絶対に俺は俺でいるはずだ。
俺はその辺にあった反射するものを拾い上げる。俺の部屋がごちゃごちゃになっているため、てきとうにその辺を探れば見つけらた。
「………よし」
鏡の代わりに使えそうなガラスの使われたものを自分が映るように角度をつけた。
そこにあった俺は本来の俺とはまったく異なった姿だった。いや、面影は少なからず残ってはいるが、しかし、どう見てもこれは俺でないことはわかる。
「うっそだろ。おい」
幼い顔、細い体、目が大きいし、口が小さいし、唇が薄い。頬がすこし赤く染まっており、色が白い。
でも、わかる。すこしわかる。これが俺であると俺にはわかる。
「でも、これはないだろ」
原因なんてわからず、推理なんてできる頭も持ってない俺はただ鏡の前に呆然と立ち尽くすことしか出来なかった。