第二話 ドゥルルルルル!!
視界がどんどん開いていくーーー
どんどんクリアになって行き、涼しい風が通る森が目の前に広がる。
「どうやら、成功したみたいだね。」
虚空に向かって独り言を言う俺…ただ単に痛い奴だよな。
そういや、俺は首都グランセに転送やったはずだよね?なんで、森の中なの?
あれ、失敗した?やっちゃったー。
まあ…
「歩いてれば着くか。」
その軽い考えは直ぐに打ち砕けた。
歩き続けていくとどんどん森の中は暗くなる。これは完全に…
「迷った…」
流石に俺も焦る。そういえば、コルグには絶対に一人で森に入るなよ⁈と念を押されていたけどまさか、ここで実感されるとは…
そういえば昔、ブラブラ歩いてたら森の中に入っちゃって迷った事があったな〜。
その時は、たまたま山菜を採ってたコルグに見つけられたな。5日ぐらい行方不明だったらしい。いや、5日も俺が居ないんだから山菜なんか採ってないでよって話なのにね!
「どうしよう…」
うおぉぉぉぉ!神よ!マリヤよ!どうか、道を教えてくれる優しい人を僕に与えてください!!あわよくばご飯を与えてくれる人ぉおぉぉ!
頭を抱えて俺は疼くまる。
「ん〜?どないしたん⁇」
キタァァァァァァァ!!世界は良く出来ているぅぅぅぅぅ!!
俺が内心ガッツポーズをしていると、声を掛けてくれた人が返事をしない俺を除きこんでくる。
「大丈夫か?」
「大丈夫じゃないです!」
「うお⁈」
いきなり大声を上げた俺に相手は驚いて顔を引く。
「あっ、すんません。」
「いや…てかどしたん?こんな薄暗い森の真ん中で頭抱えて。」
「いや〜転送魔術使ってグランセに行こうと思ったんですが…失敗して森の中に来ちゃって、その簡単にまとめれば迷いました。」
「やっぱりー?」
やっぱりー?じゃねぇよ!!なんだよその全てを悟った顔は!!
「うーん。でも、ここもグランセだから失敗はしてないんじゃないの?」
「えっ⁈ここもグランセなの⁈」
まじですか。