滅私奉公の冒険者!
伸ばした手はいつだって届かない。
掬い上げようとしたところで、砂のようにこぼれ落ちるのが必定。
だからこれは、思い上がった自分に対する神様の罰なのだろう。
憎悪が胸の中を巣くう。どろり。粘稠な泥のような感情が心を支配する。
ああ――嗚呼。
確信があった。まるで人類の罪を背負った聖人が己の役割を知ったときのような、そんな確信があった。
もうきっと戻れない。もうきっと立ち止まれない。
だから最期に祈る。せめて――――。
大丈夫! 現代からトリップしたチートな主人公が俺TUEEEEEするだけの小説だよ!
心安らかに読んでいってね!
縋る女
2014/06/10 21:03
(改)