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異世界を巡る  作者: 秋野伊月
入学編
9/24

別館で

遅くなりました。

今後もこんな感じで、のろまペースで更新すると思いますが、ご了承ください。

たくさん連載小説書いてて、思いつかなくなるんです…

たくさん書いてる、自分が悪いんですが…

そんな感じですが、今回も楽しんでいただけると嬉しいです。あ、でも次のやつの方が楽しんでいただけるかな?

最近色々と忙しくて、別館に行くことができていなかった。そんな間にある噂が流れた。

「中等科の子が毎日別館に入り浸っている。」という噂だ。しかもイケメンらしい。そういうことには全く興味がなかったがなんとなく気になったので行ってみることにした。



別館に行くと部屋の一番奧の机で分厚い資料 を読んでいる1人の男子生徒を見つけた。

後ろ姿を一目見てそれが律人 だということがわかった。

すっごく真剣に読んでいる。そのため、声をかけることがしにくい。

このまま声をかけずに通りすぎるのも姉として良くない気がするので声をかけようと空気を吸い込む。

「あれ、姉さん?」

せっかく意気込んでいた私が吸った空気は、ぷはっと驚きとともに吐き出される。

まさか、律人から声をかけてくるとは思わなかったからだ。

「律人。今せっかく声をかけようと思ってたのに…」

「そうなの?ごめん。でも、ここにある資料は本当に知らないことばかりで、面白いよ。」

なんだか違和感がある…そうか!!話すときの雰囲気とかが優しくなったからだ。なんて本当にどうでもいいことを考えながら、私は律人との会話をすすめる。

「それにしても、噂になってるよ。律人がここに毎日のように来てること。『中等科のイケメンの子が毎日別館に入り浸ってるらしい』って…。あんまり目立つなって言われてるでしょ。」

「そんな変な噂たてたの誰だよ…。全く困ったものだよ。姉さん、ここでは俺たちが姉弟だってバレてもいいの?俺は別にどうでもいいけど、姉さんとしてはどうなの?」

質問したあとにまた同じような質問しなくてもいいのに、まぁそれだけこっちのことを気遣ってくれてることだと思うとありがたいけど…。でも、私たちが姉弟だってことはあまり周りに知られないほうがいい。できることならただの知り合いという関係でありたい。でも律人を守るには、姉弟だと周りに知らしめておく必要もあるだろう。

悩んでいる表情は微塵も見せていないつもりだったのだが、目ざとく気づいた律人は私に心配そうな目を向けてくる。身内や亜咲にしかわからないような表情の変化だった。

そんな表情を見せられてしまうと、守りたいと思う思いが強くなり、直ぐに結論が出た。

「姉弟ってことがバレても何が起こるわけでもないし、ばれるのはかまわないよ。目立つなって言われてるってさっき言ったけど、首席になっちゃった以上目立つことなんて、避けては通れない道だしね。」

そう言うと、安心したような少し嬉しそうな表情を見せた。律人がこんな表情を見せるのは、出会ってから初めてのことだった。だんだん私たちの間にあった溝が埋まっていっているように思えて、こっちも嬉しくなった。

 少し会話をしていたことで、危うく別館にいる先生に注意されるところだった。

「どこかよって帰る?」

「別にいいけど…あの2人はいいの?」

あの2人とはきっと、杏と梓のことだろう。私は少し声を低めてあの2人のことを教える。

「今日は、放課後デートの日なんだって。さそったけど、そう言って振られちゃった。まぁきっと今頃、吐きそうなぐらい甘ったるい雰囲気作ってんじゃない?」

不愉快だと言わんばかりに教えると、少し心配そうな目で見られた。でも笑った私を見て、勘違いだと気づいたのか、律人も笑ってくれた。

「じゃ、帰ろっか。」

私たちは別館をあとにして、街へと足を向けた。

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