律人と亜咲
今回は、律人の視線で書いてみました。
これからも、たまに律人の視線からなどの話を書いていくと思います。
今日初めて姉さんに会った。家族に会うのはこれが初めてだ。俺が3歳の時に、俺が生まれた街は正魔獣師のせいで失われた。姉さんの特別な能力を調べようとして、手に入れたくて。
馬鹿だ。あいつらは本当に馬鹿だ。自分の欲のために俺たちの生活をいとも簡単に奪ってしまう。それが万人のためであっても、もっと違う方法があったと幼い俺は思った。でもいつしか俺は昔のとをいつまでもうだうだ言っていても仕方がないと思うようになった。今俺が動いている理由は、正魔獣師たちに復讐するため。復讐といっても人を殺すわけではない。正魔獣師の制度をまるっきり変えてしまおうと思っているだけだ。そのためには、俺が正魔獣師のトップにならなければならない。
…こんなこと姉さんに言ったら絶対に止められる。姉さんはこんな危険なこと望まないだろうから…。
「亜咲、姉さんに余計なこと言うなよ。」
「わかってるよ。だってお姉ちゃんに言ったら律人のしたいこと、できないもんね。」
『お姉ちゃん』ってこいつもう呼び方変えるき全くねぇな。
「わかってるならいい。そういえば、ほんとにいいのか?俺なんかについてきて…?」
「律人じゃないとついて行ってないよ。」
亜咲がいるだけでなんか頼もしいな…。ここからは、姉さんには話せない亜咲と俺だけの行動になる。
今日は姉さん達の訓練を見ていた。休憩時間に見せてくれる技は今まで俺がテレビでしか見たことがないものだった。姉さんは僕の数十倍もの知識を持っているだろう。だから俺なんかよりもすごいことを考えているのかもしれない。でも俺は俺の今できることをする。だから教えてもらった技をできるだけ覚えた。
俺たちがライト学園に入学する日がやってきた。俺たちを含む初等科・中等科の各学年2百人が入学した。俺たちは中等科1年5組に主席入学した。魔獣師としての能力、そして知識が学年でトップだったらしい。姉さん達も主席・次席らしいから、これから一緒にいられる時間が長くなるのかもしれない。
いろいろなことに、興味を持ちながら俺の1日はスタートした。
まず今日行われたのはオリエンテーションだった。それはなんとも暇なものであった。俺としてはこんなことより自由時間を設けて欲しいものだ。そんなことお思っていると、『特別資料館』通称別館というところにやってきた。
別館には、公にされていない資料がありそこには正魔獣師の口外禁止というような秘密だってある。そのためもちろん学園内であれど持ち運びは禁止なのだ。そこは高等科の敷地であるためあまり初等科・中等科の生徒は来る時間がないらしい。俺は大いに今日に興味を持ったが、やはりそこでも自由時間は取られず次の場所へ移動した。
オリエンテーションも終わり放課後になると、各学年主席次席は中等科図書館へ集合がかけられた。
俺は亜咲とともに図書館へ向かった。
一番にたどり着いたようで、誰も来ていなかった。今がチャンスだと思い早速本をあさった。
そんなことをしていると続々と集まっていたようで置きさに頭をこづかれた。
「あんたね、こんなことするのはいいけど時間を考えなさいよ!!」
小さい声だったが耳元で言われたので、結構大きく聞こえた。
「わりぃ。ついな、つい…。」
そう言いながらそそくさと片付けをする。片付けが終わった頃先生がやってきた。
今回はそれぞれ自己紹介をして、この集まりの目的を説明して解散となった。
解散したのは3時頃だったので俺は別館に向かった。亜咲は夕飯の買い物があるので先に帰った。
別館には誰も来ていなかった。まだ、高等科は授業中なのだろう。
先生は不思議な顔で俺を見たがそんなことは気にせず、俺は資料を見て回った。