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異世界を巡る  作者: 秋野伊月
入学編
7/24

来訪者

遅くなりました。

ちょくちょく書きつつ、敵(宿題ですけどね)と戦ってました。

朝からなんだか騒がしい。目を開けると自分の部屋ではないことに首をかしげ、あたりをぼーっと見回す。思い出した。2人と訓練に来てたんだっけ、泊まりがけで。

とりあえず、なんで騒がしいのか聞こうと思い部屋を出る。

部屋の前には慶太さんがいた。慶太さんは私を見て安心するようにため息を吐く。

「よかった。起きてきてくれて。もう少し遅かったら部屋に入ってたよ。」

「あぁ、そっか。すみません。また迷惑をかけちゃったみたいですね。」

それにしても、騒がしい。なぜだ。私のことだけならこんなに騒がしくなるわけない。思考を巡らしても答えにはたどり着かない。

「君に会わせたい人がいる。」

いつになく真剣な表情で、話を切り出す慶太さん。騒がしい原因は私に合わせたい人が来ているからだという。そんなお偉いさんなのか。それとも、それ以上の存在か…。考えても仕方がないと思い、考えを捨てる。私は周りに目を向けながら慶太さんについていく。


慶太さんはある部屋の前で立ち止まる。そしてなんの躊躇いもなくドアを開ける。

「彼らだよ、君に会わせたかったのは…。」

慶太さんが言った彼らはまだ12、3歳程度といったところだ。彼らは、私を見て怪訝な顔をする。

「花野さん本当に、この人が私達の『お姉ちゃん』なの?」

「写真とずいぶん違う。どうしてですか?花野さん。」

ちょっと待て、私に弟がいたと…この人はそう言ってるんだな。

私に弟…あ、いた!?

いたような気がする。街が失われる2、3年前、弟が生まれた。妹はいなかったきがする。でも、かわいかった。何でか1日しか会えなかった。多分私が次期――のトップになるから。弟は確か、力が弱かったから。

あのときに、ほとんど死んだと思ってた。

「写真と違うって、当たり前だよ。その写真は10年前の物なんだから。」

「君達、腕見せて。…左腕。」

私の弟達なら、確か左腕に『マーク』があるはずだから。すると2人とも素直に左腕を見せる。男の子の方にはしっかりと―――のマークが刻まれている。でも、女の子の方にはなかった。

そして、それは弟の「律人」であるあかしだった。マークは少しずつ違い、それで誰だか判断できる。

「『姉さん』だったら、これがあるはずだよね?見せて。」

私も隠すことなどなかったので、素直に見せる。私の腕にもしっかりとマークが刻まれている。

「なんでもいいよ、律人りつと。ところで彼女は誰?」

「私は律くんの幼馴染みで、律くんの彼女です!!」

律人の幼馴染みで彼女…。彼女!?律人、彼女なんていたのか!?まあ、全然会ってなかったからわかんないけど、弟に彼女かぁ。

亜咲あさきは黙って。姉さん、亜咲の言葉信じなくていいから。幼馴染みってのは本当だけど、彼女じゃないから。亜咲もここに入ってるってだけ。」

なーんだ、彼女じゃないのか…。ちょっと残念。まあでもこれからだよな、この子達の人生は。

でも、どうしてこの子達は今ここに来たんだ?何があるという、これから。何かあったっけ?

私は思考を巡らし考える。記憶の片隅に思い当たることが1つある。ライト学園に初等科と中等科ができるということだった。だから今私たちが通っているところが高等科になる予定らしい。5月からだったと思う。変だなと違和感を感じながら、話を聞いたのを思い出した。そしてもしかしてと思い聞いてみる。

「2人ともライト学園に入るのか?」

「そうだよ。とりあえずあそこに入って、正魔獣師の表の姿を学ぶ。ここだとどうしても、裏の姿しかわからないから。」

この1週間、まだオリエンテーションしかしてないけど、私が知ってる魔獣師とずいぶん違った。

あれから何回か首席・次席で集まった。そこで聞いた魔獣師は裏の部分がない、むしろ美化された魔獣師の姿だった。

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