昔
今回は、とっても早くないですか?
なんて1人で舞い上がりぎみの自分です。
読んでくれたら、うれしいです!!
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。やめろやめろやめろやめろ。
壊さないでくれ、お願いだから、お願いだからやめてくれ。どうして、どうして私なんだ。なんで、なんで私なんだ。私は特別になりたかったわけじゃない。特別なんてごめんだ。私だけ連れていけばいいのに、なんで街を、私の大切な街を壊すんだ。私以外を巻き込むな。
大切なんだ。こんな私でも、ここがとてもとても大切なんだ。人と馴染めなくなってもいい。親や兄妹に会えなくなってもいい。だから、だから、この街を壊すのだけはやめてくれ…。
「逃げなさい。あなたは逃げて、逃げて守って。私たちの―――を。」
あれから私はどうした?母さんに守ってと言われ、それを約束した。そのあと私はどうしたんだ?
あぁ、そうかあれからすべてを投げ捨てて、あの時の私を捨てて逃げたんだ。そして逃げ延びて今ここにいるんだ。
誰かが私を呼んでる。杏?梓?慶太さん?そっか、3人か。戻りたいけど、私が戻ったら迷惑になっちゃわないかな?今までは大丈夫だったけど、あの学園に入ったんだ。身の保証があるわけじゃない。どちらかというと前より危ない。だったら私はこのまま―――。
「起きろよ!!お前がいても誰も文句なんて言わないんだから!!」
目が覚める。視界がぼやけて、焦点が合わない。何回か瞬きする。次第に焦点が合い3人の顔がはっきり見える。
「ごめん。意識手放しかけて…。」
「あのことは忘れろ…なんて言わないが、お前が悪いわけじゃない。悪いのは『あいつら』だ。」
「わかってますよ。でもやっぱりそう簡単になttくできないんですよね。」
「みんな、とりあえず訓練再開しよ?」
「私は大丈夫だから。やろっか。」
今日の訓練は私だけがほぼ成功して終わった。
明日は祝日だから今日と明日の、泊まりがけで来ている私たちは、訓練のあとも3人で練習していた。私は完全にできるようになったが、2人はまだまだのようだ。
「ごめん。疲れがたまったみたいだから先に寝てるね。」
「分かった。おつかれ。おやすみ。」
「ゆっくり休んでね~。おやすみ」
「おやすみ。」
ベッドに倒れこむように寝転がる。私だってあんなこと思い出したくなんかない。でも元を正せば元凶は私だから、罪悪感が募る。そして、あの街を潰した『あいつら』に憎しみがあふれる。
誰にも伝えられない。誰にも明かすことのできない真実。
自分が生きていていいのかすら分からない。どうして私はこんなにも、弱いんだろう。あのときだって、もっともっと強かったら私はあいつらなんか、蹴散らすことができたのに。
「母さん、父さん。皆…ほんとごめん…―――。」
知らないうちに涙がこぼれていた。