学園生活
ゆっくり寝ることができ4時間後、私は2人にうるさく言われ渋々学園に行くことになった。
教室に入ると、担任がクラスメイト達に囲まれていた。
私が一番後ろの窓側の席に陣取ると、その前に杏、あたしの隣に梓が座った。一番最初は出席番号順で座っていたが、どこでも良いそうなので好きな席に座ったのだ。一番とられそうだった場所だが、先に来ていた2人が取っておいてくれたのだ。
杏と梓は席を一日交替で座るそうだ。……何の意味があるのかよくわからないが。
しばらくすると、ぞろぞろと4、5人が教室に入ってきた。こちらに向かってくるその団体は私たちの前で立ち止まった。
「貴女、そこの席替わってくださる?わたくしそこに座りたいの」
なんかすっごく自己中なのが来たが、眠いので無視。相手するのもめんどくさい。
何も返さないでいると、少し声を尖らせて「聞いていらっしゃるの?」と聞いてきたので「聞いてない」というと、顔を真っ赤にした。怒っているのだろうか?まぁ、何でもいいが。
「貴女、わたくしを馬鹿にしていらっしゃるの? 」
「馬鹿にしてないけど、鬱陶しいとは思ってる」
さらに顔を赤くして、ぱくぱくと魚のように口を開け閉めしている。そいつのいる周りの取り巻きたちが、必死になだめているようだ。
私は大きく欠伸をして、机に突っ伏す。
それを見て、取り巻きたちも怒っているようだった。
「貴女、何様のつもり!! 」
「お前こそ何様? 」
聞き返すとそれはそれは誇らしげな顔つきになり、さっきまでの赤い顔は嘘のように消えていた。
「わたくしを知らないなんて愚かな人がいるものね。わたくしは、橘美玲。橘家の長女であり、魔獣師の才能を誰よりも有しているのよ!! 」
頭おかしいんじゃないかというような目で、橘美玲という女を見る私と杏と梓。
そこで初めて口を開いたのは杏。
「誰もよりも才能を持ってるわけないでしょ。あんたなんかが。橘家って確か、最近魔獣師として活躍してるってだけじゃないの?親のすねかじってこの学園に入ってるんでしょ? 」
おぉ、杏がいつになく攻撃的だ。梓までバカにしたように哂った。
取り巻きたちもさすがに黙っていられなくなったのか、反撃し始めた。
「自分たちが首席、次席だからって調子に乗らないでもらえる?今回はたまたま美玲様の実力が発揮されなかっただけよ」
「いつでも自分の実力を最大限に発揮できないと、もしもの時は死ぬんだけどね」
ボソッとつぶやく梓の言葉に、取り巻きたちは少し黙る。が、またいろいろと言ってきた。
「そういうことはこれから勉強する事でしょう?本当に実力があるのは美玲様よ」
2人があいつらの相手をしている間、私はあることを思い出した。橘家と言えば、確か石原氏の娘が嫁いだ先だった。実力者でもあったらしいが、恋仲だったので、石原氏としてもうれしい結果だった。
と言うことは、この人は石原先輩の従妹にあたり、石原氏の孫になるのか……。石原氏の心配ごとに原因はこの人にもある、ということか。
「あのさぁ、そんなことどうでもいいんだけど。それに、人にものを頼むときは頭を下げるのが礼儀でしょ。そんなこともできないなんて、家に泥を塗るようなもの。それに家柄でそんなこと言うなら、私たちのほうが上。あんたこそ知らないの?『崎澤家』のこと」
はっとした様子の取り巻きたちに対し、何もわかっていないらしいお嬢様。甘やかされて育ったことが目に見えた。
崎澤家―――魔獣師が活動し始めた当初から、類い稀なる実力を発揮していた八家のなかの1つ。
主に攻撃、補助能力、諜報を得意とする家柄であった。今も世界を動かすほどの力を有している。
石原家も八家の中の1つであり、攻撃、防御を得意とする家柄だ。
「すみませんでした。美玲様、諦めましょう」
「嫌よ。わたくしはここがいいの」
「早い者勝ちだよ。それに今日座った席がこれからの席だって担任も言ってたし、違うとこ座ってよね」
それを言うと、私はあとのことを2人に任せて、授業までの時間寝ることにした。
「緋水、起きなよ。授業始まる。あいつらもどっかいったし」
「あぁ、ありがと」
授業と言っても、最初の授業は普通科目なので端末授業だ。わからないところがあれば、担任に聞きに行く。というような授業体制である。
出てきた課題をさっさと終わらせ、担任のもとへデータを送る。数分後に、採点の終わったデータが帰ってきた。
課題が終われば基本的に何をしてもいいので、私は2人の課題が終わるのを待ち、別館に向かった。
何か、サブタイトルと、あってないような気がしますが、気にしないでください…




