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腐食世界のガーデンテイマー  作者: 時雨オオカミ
『草原の王蛇は微睡みの中で希望を抱くか?』

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ユウの生態観察レポート【ジャガイヌ・ミルックマ・カイワソ】

 ガーデンに帰ってきたあたりで夜になった。

 本当にギリギリだったらしい。手招きをするシーちゃんのところに寄っていき、防衛モンスターをジャガイヌたちから選んで拠点の中に入る。


 収穫の類はシーちゃんがやってくれていたり、自動で送られたりしているから問題なし。料理は簡易的なものだけにして、今日はすごくいっぱい増えたモンスターたちの生態観察を中心にやっていこう。


 ご飯を炊いて、目玉焼きを今日も作って……シーちゃんに見せてみるけれど、今日も首を横に振られてしまった。果たして、いつか受け入れてくれる日は来るのだろうか。ちょっとデレてきてくれているからいけると思ったんだけどなあ。


 既に作ったことのある料理なのでフレーバーテキストは割愛して、さっそくベッドに座ってスケッチの確認に移る。まずはそうだな、最近よく活躍してくれているジャガイヌたちからにしよう。ワルフルと一緒のスケッチも結構あるけど、ジャガイヌ単体のもなくはない。あの子たち同士でコツンとぶつかりあっている場面だ。例の親愛を示す交流方法なんだけど、同種族だとたまにじゃれているのを見かける。


 ずんぐりむっくりしたからだに、好戦的なお顔。一番最後にワルフルにお腹を向けてひっくり返っている姿のスケッチを載せて……よし。


 ――――――



【公式生態観察】

 敵対行動中の対象を優先的に鎮圧する戦闘補助型モンスター。

 群れを形成することで鎮圧成功率が向上し、探索効率が大きく改善される。

 同時に畑で育成される作物の収量にも影響を与える。

 愛玩性の高い外見とは裏腹に、運用は戦略的判断を要する。


 ――――――


 ――――――



【ジャガイヌの生態レポート 観測者:ユウ】


 かつての動物図鑑でいうところの柴犬に似たモンスター。

 胴体がじゃがいものようにずんぐりむっくりしていて、くるんとした尻尾には葉っぱがついている。フォルムが可愛らしいので女性人気も高め……かもしれない。

 その可愛らしいフォルムには似合わず、能力は完全に戦闘特化になっていて、気位が高く自分を御せると判断した相手にしか懐かない。一度上下関係をきっちりと分からせる必要のあるモンスターだ。


 他のモンスターと同じだと思って尻尾を引っ張ると(恐らく)三日くらい指示を聞いてくれなくなるので注意が必要だ。この子からはジャガイモが収穫できないことを覚えておかないといけない。畑のジャガイモの生産数は増えるが、この子自身が生産するわけではないのだ。


 仲間同士で胴体をかじってコミュニケーションを取っていることがあるけど、あれは同じジャガイヌ同士だからできることであって人間は混ざったら怪我をするので注意が必要。それは、そう。

 柴犬というのはモンスターになってもわりと気難しいのだ。



 ――――――


 次はミルックマだ。バタベアとセットみたいになっている子だけど、この子が生産してくれるミルクの量が多いので金策的な意味で非常に助かっている。


 今のところミルックマとバタベアが引っ越しをする気配はないけれど、バタベアがいないところにはいつかないらしいので、ガーデンが複数になった際に場所移動をしてもらうつもりなら、注意が必要かもしれない。

 そうそう、公式の生態観察でははじめて設計という言葉が出たんだっけ。これも推測をすることはできるが、確定とも言いづらいのでよく分からない。実際に人類がモンスターたちを設計したのかも、なにもかも真偽不明である。


 スケッチはミルク缶と背比べをしているミルックマや、バタベアとくっついて幸せそうにしている光景だ。


 ――――――


【生態観察】

 バタベアとの共生関係が強い乳製品系クマ型モンスター。

 ミルク缶への充填を主な行動とし、安定した乳資源供給に寄与する。

 回転遊具と甘味資源を組み合わせることで派生飲料を生成する。

 共生相手が離脱した場合、本個体も定着を維持できない。

 単独運用よりも“セット運用”を前提に設計された個体である。


 ――――――


 ――――――


【ミルックマの生態レポート 観測者:ユウ】


 バタベアの腰巾着かって言うほど一緒にいるから、恐らく引き離さない方が良い。設置インテリアのミルク缶は満たすと10リットルくらいあるので十分以上の収穫が見込める。空中都市のためにミルクを出荷するのもお金を稼ぐ手のひとつだ。

 バタベアがいなくなってしまうと住民になっていたミルックマも去ってしまうという噂があるので注意しよう! 


 ――――――


 次はカイワソだ。いつの間にか来て、勝手に住民になっていた子なのでヒントなんているだろうか? なんて思ってしまうが、そうなったのは私がズボラだったからだ。買った種に対してきっちり同じ数だけの畑を用意している几帳面な人なんかだと、きっとカイワソとは縁がないだろう。

 あえて畑の空きを作っておくという発想を、そういう人はできないものだ。


 私はなるべく多くの人にこのドッキリ住民化体験をしてもらいたいので、ヒントを残す。読んだ人が楽しんでくれたらいいなあと思いつつ。


 スケッチはもちろん、畑からひょっこりと覗くカイワソの可愛らしい姿。それと土から顔を出したワームースを、ものすごく間近で見つめて鼻をチョンとくっつけて挨拶をしている様子などだ。

 この子は特に見た目も小動物らしさが強いので抜群の癒し系である。一ガーデンに一匹欲しい人材……モンスター材である。


 ただ、リーダーじゃないワームースが何度か消えていることがあって、なんだろうと思って観察していたらカイワソが食べちゃってた! みたいなことが発生した。ワームースも大変である。


 ――――――


【公式生態観察】


 畑区画に定着し、土壌深層へ干渉する浄化系モンスター。

 畝に埋没している間のみ、同列タイルの深層浄化を段階的に進行させる。

 深層浄化の完了後、浄化は隣接タイルへ伝播し、中間層→深層の順で適用される。

 進行中に畑外へ出ると蓄積がリセットされるため、配置と運用手順が重要となる。

 表層が整備された土地ほど効果を発揮し、畑を起点とした中〜深層の回復に適する。


 ――――――


 ――――――


【カイワソの生態レポート 観測者:ユウ】



 尻尾がカイワレダイコンとなっていて、水の中ではなく畑などの地面の中に埋まるカワウソ。

 畑に空きがあると勝手に入り込んで勝手に住民になっていたりするので、驚きのサプライズイベントがカワウソの姿をして突然やってくるのだ! 


 ワームースが表層浄化をしたあと、畑にしているとそこからもっと奥の層まで土地の浄化を進めてくれるようだ。

 食事の時間は外に出るが、浄化途中で出してしまうと経過時間がリセットされてしまうので要注意! 


 土壌の浄化仲間としてなのか、ワームースと妙に仲が良く感じる。畑には横向きに胴体を埋めて頭と尻尾だけ出している状態になっていることが多いけれど、よくワームースを眺めている姿を見かける。興味があるのだろうか? 


 ……と、思ったらある日見たらワームースを食べていた。ショック再び! 

 もしかして仲がいいんじゃなくて食べたくて見てたって、コト!? 


 食べちゃダメと指示しておかないとこういうこともあるらしい。


 ――――――


 こんなものだろうか? 

 今日はもう少し図鑑を更新したいので、寝る体勢にはならない。

 空腹ゲージやら体力は存在するものの、徹夜でガーデン生活に支障が出るかどうかはまだ分からないわけだし、この機会に試してしまうのもありかもしれない。


 次は誰を書こうかなあ……。


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― 新着の感想 ―
シーちゃん居るから景観用の野菜畑が自動回収で更地に! みたいな悲しい出来事も防げるっぽい?
芝犬?柴犬?
そういやスレに主人公作の研究日誌でワームースの可愛さを知った、殴ったの後悔したって人たちがいましたね 弱肉強食ショックに耐えられるのかしら…
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