ユウの生態観察レポート【初期配布モンスター総括】
お料理はもうしたし、探索も終わってキャロキャットたちともガーデン手前でお別れをした。
キャロキャットは夜行性だからかまだまだ元気で、ガーデンの夜警をちゃんとしてくれそうだ。
探索に同行したオリウルは高いところに眠りに行き、ジャガイヌも群れに合流して丸くなって眠っている。
すっかり仲間の数が増えた夜のガーデンの様子を眺めながら、そして今日も私は筆を執る。
今日終わらせるのは初期配布モンスターたち五匹分だ。
他の子たちも仲間になって書けるようになっているけれど、やっぱり図鑑を更新するなら順当に最初の子たちからがいいなと思っているからね。
初期配布モンスターたちってセットみたいなところがあるし、図鑑内容もセット感を出せるといいんだけど。
さて、初期で書き終わってない子は残りウーパイルーパーだけである。なら、ウーパイルーパーの図鑑説明をセット感出るように調整すればいいだろうか?
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・ 生態観察:
ウーパイルーパーは、水質浄化と飲料生産を担う水辺適応型モンスターである。
汚染された水域を浄化しながら、水を加工して飲料やパイ状の生産物を生成する。
摂取する食材の種類によって、生産物の内容が変化する特性を持つ。
特定条件下では他のモンスターを捕食し、能力が増幅することが確認されている。
水資源の安定供給において重要な役割を果たす存在である。
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公式の生態観察はやっぱりお堅い感じだけど、私のほうはどうしようかな?
…………そうだ、ワームースのときの図鑑って、偶然だけど『中身』についての話をしたよね。
なら、それに絡めた内容にして……絵のほうはラフで描いておいた水の中を泳ぐウーパイルーパーに、ワームースににじりよっていく姿。ニコニコ顔で瓶入りムースを食べている姿。何種類かのイラストをほのぼの絵本タッチで添付して、背中のホカホカのパイを強調するように美味しそうに描こう!
よし、これでいいかな。
あとは最後のウーパイルーパーの図鑑説明を【みんなのモンスター研究誌】にアップして……全部まとめて並べてみよう。
うーん、まだ私以外に書いてる人は見かけないなあ。絵だけならたまに見かけるんだけど。
いいんだよ? 図鑑説明と言っても自由なんだし、架空の食レポとか書いてくれる人いないかなあ。
さて、おさらいだ。
今まで書いた図鑑と新しいウーパイルーパーの図鑑を並べて読んでみよう。
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【ワームースの生態観察レポート】
【観測者:ユウ】
綺麗な土ができると、だいたい最初にやってくるのがワームース。ガーデン再生の第一歩、第一匹め。
ムースの名前の通り、食べたもので体の色や生産物が変わるらしい。
体の中にムースがたっぷり詰まってるみたいだけど、確かめる勇気は出ないかも。
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【ワルフルの生態レポート】
【観測者 ユウ】
耳が美味しそうなワッフルでできていて、体にも綺麗な焼き目がある生き物。少し広めの敷地で上品にミルクをごくごく飲む姿は犬みたいだけど、語源的には多分狼。
ワッフルのいい匂いがするけどミツをかけて齧りついたりしたらダメ! 逆にワルフルの不興を買ってこっちが噛みつかれてしまうかもしれない。
ガーデンに住み着いたとしてもワルフルの多くは自分の縄張りだから守るだけで、別に人間のことを守りたいとかは思っていないらしい。
守ってもらいたいなら、ちゃんと彼らの「ご飯係」になってあげよう。
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【オリウルの生態レポート】
【観測者:ユウ】
このフクロウは気配に聡くてとても神経質で、オリーブの木の上でいつも周囲の気配を探っている。
一見して気位が高いように見えるけど、好物をもらったらすぐ態度を柔らかくして守ってくれようとするので案外チョロいのかも?
オイルの垂れた翼で水浴びをするのが好きなので、オリウルが遊んだあとのモンスターの水飲み場はすぐに片付けてあげよう。
他の子が迷惑そうな顔で見てきてもいいなら放置してもいいけど、掃除は早めにね。
処理できるなら舐め取るのでもいいけど、お腹を壊しても知らないよ。
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【バタベアの生態レポート】
【観測者:ユウ】
濃厚なバターの香りが遠くからでも分かるバタベアは、頭から溶けたバターを被っているような不思議な模様をしている。
彼は甘い香りが好きだから、同じスイーツの分類の子達がいる住処を選んでのんびりお昼寝するのが好きらしい。溶けて広がってクマの絨毯みたいになっててもバターの体が溶けてだらけてるだけだから気にしないで。夜になれば元に戻るから!
バタベアはときおり回転する遊具を使って原材料を元にバターを作ってくれる。本人は溶けてるけど、出来るバターはなぜかちゃんと四角いのは学会でも解けない謎のひとつ。本人は溶けてるのにね。
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で、最後に新しく追加したウーパイルーパー、と。
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【ウーパイルーパーの生態レポート】
【観測者 : ユウ】
ショック! ワームースの中身!
かつて、生物には食物連鎖というものが当たり前に存在したと伝えられているけど、どうやら食べ物と融合したあとでも本能としてそれが残されているみたい。これが弱肉強食って、やつ!?
地面を大きなスコップで深く掘ると、水が湧き出して池になった。ウーパイルーパーはそんな僅かな水の気配でもやってくる。生息地からは少し遠いようで三日以上かかったが、ようやく大量の水を確保できそう。お鍋が作れるようになるのも時間の問題だ。
ワームースの犠牲で生産効率は上がるけど、どうするかはガーデナーの方針次第。
体がパイになっているみたいだけど、いったいどこからパイを生産しているんだろう。分身の術?
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ヨシッ!
ワームースの図鑑説明から繋げてみることにしたんだよね。これで五匹全員の図鑑説明は終わり!
時間的にもちょうどいいことでしょう。
チュートリアルの初期配布モンスターたちのことは、ギリギリ今日中に観察し終えることができて良かった。
これでセーブして、安心して寝て明日を迎えられるというものだ。
「えっと、次に私が来るまで、ガーデンの時間は進めない……方針でお願い」
「かしこまりました」
リアルタイムと連動している空中都市とは違い、ガーデンのほうは時間を止めておくことができる。もしかしたら、明日仕事が終わって帰ってきたら、私よりもよほど先に進んでいる人がいるかもしれないけど……ゲームっていうのはそういうものだからね。私はのんびり自分のペースで無理せず進めていくことにしよう。
全部の文章とイラストをチェックしてから、ベッドに仰向けになる。そしてセーブを選択してログアウト。
「おやすみなさい」
「おやすみなさいませ、ユウ様」
シーちゃんの穏やかな声を聞きながら、目を閉じた。




