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腐食世界のガーデンテイマー  作者: 時雨オオカミ
『崩壊した世界のガーデンライフゲーム!』

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36/51

フィッシュサトウ爆誕!?

 いよいよ運命のときである。

 はじめてのガチャで手に入れたフィッシュサトウの衝撃はいまだに忘れられない、がさすがに三日目ともなれば多少は慣れた。今はただただどんなものが生まれるか? という期待と興味がそこにある。


 三日間続いていたカウンターの数字が減っていき、いよいよゼロになる。


「いったい、どんな子が」


 卵が割れると、ぬるっとデカい魚が床に滑り出て来た。


「……」


 なに、この、なに……? 

 例えるならば、はじめてポーチにも入っちゃうモンスターの最弱モンスターを見たときのようなあの感じ。

 一発描きでもした? というスタンダードな魚のイラストそのもので、鱗は青く目が死んでいる。ひと抱えもあるマグロくらいの大きさだ。すごい大きい。そして卵から這い出て床に落ちたっきりピクリとも動かない。あの、これ大丈夫なやつですか……? 


「シーちゃ……」

「水辺に移動してさしあげましょう」

「アッ、はい」


 仕方なくデカい魚をヨイショと抱えて小屋の外に出る。

 まだギリギリ夕方なのでガーデンへの干渉は可能だ。ちょっとの間観察することくらいはできるだろう。それに、夜間探索もキャロキャットがいるから行ってみたいし。行ってもいいかどうかは聞いてないからまだ分からないけども。


 うわ〜ぬるぬるする〜。

 微妙な気持ちになりながら池まで移動して、どうせならとサトウキビの植えてある近くで放してやる。ボチャンと大きな水飛沫をあげて池の中に入ったフィッシュサトウは一度沈んだあと、お腹を出して浮かんできた。あの、これ本当に大丈夫ですか。


 ピクリとも動かないので心配していると、突然お腹を出して浮かんでいた状態から回転して普通の体勢に戻り、ようやく泳ぎ出した。

 露骨にホッとした私は、そのままスケッチブックを取り出してラフを描きながら観察に徹してみる。今日はもう最後だから、こいつのよく分からない不明な部分を先に解き明かして安心して明日に備えたいところだ。

 ガーデン日数も三日目が終わりかけていて、現実の時間でもそろそろ寝て明日に備えないといけないことだろう。

 今日という発売日の締めには、できるだけ初期配布モンスター五匹全てのまとめを生態観察として作ってしまいたいし、スッキリ終わりたいよね。


 見つめていると、フィッシュサトウはしばらく泳ぎ回り……そして、深く沈んだかと思うと、なんと大ジャンプ! 


「わっ!」


 イルカのショーで見るような見事なジャンプを見せた彼(?)は弧を描いて空中を身を捻りながら泳ぐように飛び、そして池のふちに植えていたサトウキビに突き刺ささった。

 ……はあ!? 突き刺さったあ!? 


「ちょっ」


 串焼きみたいになっちゃう! なっちゃうというか、なってる!! 

 フィッシュサトウはサトウキビに刺さったまま苦しむように……苦しんでるのかな? 分からない……なにも分からない。ぐねぐね動いて尻尾をバタつかせ、そして勢いをつけて後ろに向かってまたジャンプした。

 よ、よかった生きてる……。

 なにやら、サトウキビから糸のようなものを口に咥えた状態で池の中にボチャンと落っこちた魚が、今度はメチャクチャに水の中を泳ぎ回り始めた。


「なにやってるのあれ……」


 絵面が釣り糸にかかった魚そのものでシュールだ。

 釣りゲームでよくある、魚が左右に泳いで振れている仕草のアレである。自分からその状態になっているのがよりシュールというかなんというか。

 卵とネーミングの時点で混乱していたのに、いざ生まれてみても、もっとよく分からない生態を目の当たりにするはめになるとは思ってなかったな。


「フィッシュー!!」


 鳴き声も心なしかなんかイケボな気がするし。


「フィニッシュー!!」


 もう突っ込まないぞ。

 なんか叫んだと思ったら、フィッシュサトウの尻尾が大量の角砂糖らしきものを陸に打ち上げた。


「な、なにがなに!?」


 私の腕に降って来たそれを受け取ると、『白砂糖』の採取扱いになったらしくて瓶入りのお砂糖がアイテムとして手に入った。こんな形でお砂糖が手に入るとは! もしやお砂糖安定供給されるのだろうか? されちゃうのだろうか? そうなのであれば、料理のときにいろいろとやることに幅ができるからすごくありがたい。お菓子だって作れちゃうもんね! 


「ユウ様、そろそろ夜になります」

「あ、うん。ありがと」


 シーちゃんに促されて小屋の中に入る。

 それから、いったん落ち着いてフィッシュサトウの図鑑でも見よう。そうしたら、いつもみたいに料理から始めよう。


 ――――――


 No.052


 名称【フィッシュサトウ】


 ・  分類:植物

 ・  原型食物:サトウキビ

 ・  原型生物:魚

 ・  危険度:C

 ・  レア度:SR

 ・  大きさ:2タイル(2×1)

 ・  生息地域:??? 


 ・  好物:??? 、??? 


 ・  来訪条件: ??? 

 ガーデン内にサトウキビが植えられている、または砂糖系の加工物が存在する。

 ??? 

 所属するフィッシュサトウがいない。


 ・  住民化条件:

 ??? 

 ??? 

 ??? 


 ・  汚染タイル数: 水辺3


 ・  能力:

 サトウキビに接触している間、一定時間ごとに体内で砂糖を生成し、水辺に砂糖を落とす。

 砂糖が落とされた水辺タイルは、中間層の汚染進行が停止し、一定確率で浄化が1段階進行する。

 サトウキビが植えられているタイルに滞在している場合、一定の確率で「白砂糖」を1瓶生産する。

 採取しなかった砂糖が存在する水辺では、他の水棲モンスターの疲労回復速度がわずかに上昇する。



 ・  備考:

 サトウキビが存在しない環境では行動頻度が大きく低下する。

 水辺と陸地の両方を行き来するため、狭い水路ではサトウキビを引き抜いてしまうことがある。

 砂糖の生成は自律的に行われ、停止させるにはサトウキビとの接触を物理的に遮断する必要がある。


 ・  生態観察:

 フィッシュサトウは、植物と水棲生物の性質が極端な形で融合した特異個体である。

 サトウキビの繊維構造を利用して遊泳する行動は、摂食・移動・生成を同時に行うための適応と考えられている。

 体内で生成された糖分は完全には保持されず、周囲の水域に拡散することで環境へ影響を与える。

 この糖分は汚染物質と反応しやすく、結果として水辺の汚染進行を抑制、あるいは浄化を促進する。

 なお、この生態がどのような進化的必然によって成立したのかについては、現在も統一見解は得られていない。


 ――――――


 ガチャ産だと来訪条件とか住民化条件は解放されないんだなあ……と内容を目で追っていると、図鑑説明でも困惑されてて笑ってしまった。

 そんなことある!? 



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― 新着の感想 ―
イケオジボイスを希望します!
ボソッ(フィニッシュフィッシュ
…濃いなぁ。 名前も鳴き声も行動も濃いとかヤベェわ。
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