バトルシステム
さて、衝撃冷めやらぬ中ワームースの三匹目が来次第、ウーパイルーパーの二匹目を住民化させてひと安心だ。
「不意打ちが一番怖い」
必要なことだとはいえ、さすがにいきなりあれはびっくりしてしまう。
このゲームって可愛い可愛いってふんわりスローライフを楽しむより、スローライフの皮をかぶったわりとガチな管理シミュレーションになってるよね。覚えることも多くて大変だ。VRで実際に手をつけて、動いてやっていくから余計に大変に感じる。シーちゃんがいないと成り立たないから、そういう意味では本当に彼女の存在はありがたいところだ。
欲を言うなら防衛システムにシフト表を予約しておく機能が欲しいけどね。
「事前説明、欲しかったな」
「申し訳ありません」
シーちゃんを見上げて首を傾げてみたら、彼女はちっとも申し訳なく思っていなさそうな真顔で、同じように首を傾げて答えた。まったくもう。
「そうだ、バトルシステムは?」
「実践してみましょうか」
「うん」
あと残っている知らないことといえばバトルシステムくらいである。なので尋ねてみたのだが、軽い感じで返事がきたので私も軽く返す。
「探索メンバーに入れたモンスターは、口頭指示によりモンスターの鎮圧が可能です。しかし、向き不向きは存在しますのでご注意ください」
「攻撃技とか、そういうのはないの?」
今まで出会ってきたモンスターたちで、攻撃ができそうなのってバタベアくらいじゃない? ワルフルもできそうだけど、なにかを攻撃する〜みたいな説明文ではなくて、あくまで防衛に重きを置いているようだし。
考えれば考えるほど、バトルシステムに思い当たる節が存在しない。
「モンスターたちの体力を見ることは可能ですが、簡単な回避の指示や攻撃指示以外の動きを指定することはできません。攻撃方法はそれぞれで違い、攻撃回数は基本的に攻撃指示をした際の一度ずつです。追撃を試みるなどの動作をする場合、指示が伝わるまでのラグが存在するのでご注意ください」
つまりそれってさ。
「モンスターたちのステータスを知ることはできないってこと……?」
そういうことだよね? 体力バーは表示されてても、具体的な数字は分からない。攻撃力も防御力も分からない。
指示は聞いてくれるけど、ヒットアンドアウェイを上手く駆使して勝つまで粘らないといけないとか、そういう……?
「はい。モンスターの個体ごとの能力値などは研究が及ばず、世界が腐食して以来不明のままです」
「そっかあ」
もうそれしか言えない。
実はプレイヤースキルが結構いるか……? 審議だねこれは。
私がちゃんとこのゲームのバトルでやっていけるかどうかの瀬戸際なので、さっそく探索メンバーを決めることにする。ワルフルには悪いけど一匹は連れていきたい。それからバタベアとオリウルだ。
最悪オリウルさえいれば逃走可能なのでなんとかなるだろう。
「あの、体力が尽きちゃったらみんなは、どうなる?」
「倒れたモンスターは自動的にガーデンに送還されます。怪我をしたモンスターは薬を使った治療を行うことで復帰が可能です」
「そっか」
それを聞いてちょっとホッとした。弱肉強食システムなんてものがあるから、てっきりロストしたらそのままかと……。
「それじゃあ、三匹を連れて行ってみる。もうインスタンスエリアじゃないんだよね?」
「はい」
「そっか」
チュートリアルの探索ではないから、探索地には他のプレイヤーもいるんだろう。ちょっと緊張してきた!
「みんな、行こうか」
元気よく返事をしてくれた三匹を引き連れ、ワープゲートをくぐる。
あれ、さっきの弱肉強食システムより緊張してないか!?
……誰にも会いませんように。
運営(作者)の本音
こんだけ図鑑で書くものがあるのに攻撃力だののステータスデータなんてやってられるか!!!
雰囲気でOK!!!
昨日、卵選びの話が投稿されていなかったことに気がついたので、第四話に卵選びをするお話を挿入しておきました。




