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襲撃

 真夜中。

 ミシロの家に近づく三人の男達。


 キョウスケの指の合図でトラジとショウタがミシロの家の玄関に手をかけた。

 しかし、玄関は閂がされており、開く気配がない。

 それを、手を振ってキョウスケに伝えるトラジ。

 キョウスケは二人に裏口に回るように指示する。


 二人は、森に面した裏口に回った。

 トラジが裏口の戸に手をかけてそっと引く。

 すると、戸が少し開いた。


 ショウタはキョウスケにハンドサインを送る。

 すると、キョウスケも裏口へとやってきた。


 トラジは、細心の注意を払って戸を開いて行く。

 そして、すっと、体を潜り込ませる。

 それにショウタ、キョウスケも続く。


 三人は、土間から居間へと上がる。音を立てないようにそっと。

 居間には、ミシロはいない。


 奥の部屋へと続くふすまにトラジが手をかけ、そっと引く。


 その隙間から覗き込むと、部屋の真ん中に布団が敷いてあり、ミシロが姿勢正しく寝ているのが確認できた。


 キョウスケは、指で合図をする。


 三、二、一、ゼロ。


 トラジとショウタがふすまを勢いよく開き、キョウスケが部屋へと飛び込む。

 それにミシロが気づいて目を見開くが、キョウスケはミシロが体を起こす前に馬乗りに乗りかかり、ミシロの口に布を当てて抑えてしまった。


「お前ら、手足を押さえろ!」


 キョウスケの指示に、トラジがミシロの右、ショウタが左に移動し、ミシロの細く白い手首、足首を押さえる。

 ミシロは恐怖におびえた目をキョウスケに向けるが、キョウスケはにやけた顔を向けてくるだけだ。


 ミシロは首を振って抵抗するが、顔はキョウスケに抑えられている。


 キョウスケは、ミシロにかかっていた掛け布団をはぎ取る。

 そして、ミシロの口を押えたまま、寝間着姿のミシロにのしかかった。

 ミシロは抵抗しようとするが、顔も両手足も押さえられており、身動きができない。


 キョウスケは左手でミシロの寝間着の胸元を力強く開く。

 ミシロの白くもたおやかな胸が現れる。


 それを見た三人は、そろってごくりとつばを飲み込んだ。

 たまらなくなったキョウスケはミシロの右の胸もあらわにし、そして、左胸をガツッと、握り締めた。


 ミシロの顔がゆがむ。


 しかし、キョウスケも、トラジもショウタも、愉悦に浸ったいやらしい顔でミシロが抵抗する様子を楽しんでいる。


 キョウスケは、ミシロの左胸の感触をさんざん楽しんだ後、もう待てないかのように、左手で器用に、自身の服を脱ぎ始めた。


「おい、股を広げろ」


 キョウスケのその一言に、トラジとショウタはミシロの膝を持って、両側へと広げてしまう。


 そうなると、ミシロはミシロのすべてを三人にさらしてしまう。

 どこまでも白く美しいミシロ。


 目が離せない三人。

 キョウスケのソレはすでにはち切れんばかりに大きくいきり立っている。


 そんな何から何まで美しいミシロを汚すことに興奮を隠さないキョウスケ。


 我慢できなくなったキョウスケは、自身のソレをミシロのソレに近づけていく。


 ミシロは目をつむり、顔をそむける。


 ソレがソレに触れようとしたその瞬間、


 カプカプカプ


 っと、キョウスケ、トラジ、そしてショウタの足首に白蛇がかみついた。


「「「え?」」」


 三人は痛みが生じた足首に視線を移す。

 そこには白蛇がかみついていた。


 三人は驚き、その白蛇を取り除こうとするが、毒のまわりの方が早かった。


 三人とも、


 ドサドサドサ


 と、その場に倒れ込んだ。


 ミシロは、自分の上に倒れ込んできたキョウスケをどかし、


「ハァ」


 と、ため息をついた。


「お前達、もういいよ。ありがとう」


 そう声をかけると、白蛇達はキョウスケたちの足首から口を離した。


 ミシロは乱れた髪を直す。はだけた胸元はそのままに。


「あーあ、順番に餌にするつもりだったのにさ、こんなことをするなんて」


 ミシロはキョウスケたちにそう言葉をかけた。


 餌ってなんだ?

 キョウスケは考える。

 もしかして、自分が餌なのか?

 なんの?

 順番に?

 まさか、ゴヘイとゴロウも餌になったのか?

 毒のせいで動かない体だが、身震いがする。冷や汗が流れてくる。


 キョウスケは、ゴヘイとゴロウの失踪についてすべて理解した。


 この女が失踪事件の犯人だ。


 と言うことは、自分達は……


「さて、子供達、どうしようか」


 ミシロは三匹の子供達に話しかける。


 子供達はキョウスケの脇に移動し、鎌首をもたげる。

 そして、ミシロに向かって首を振る。


「こいつを私にくれるのかい?」


 子供達は、首を上下に振って肯定する。


「じゃあ、いただこうかねぇ」


 キョウスケたちは、何を何がいただくのか、未だに理解できない。

 理解したくもない。

 餌? 自分か? 自分達は何に食われるのか。


「こいつらは、私の裸を見たかったみたいだから」


 そう言って、ミシロは寝間着をすべて脱いでしまう。

 そして、キョウスケたちの前で全裸のまま立ち上がった。


「さあ、私を見たかったんでしょう?」


 ミシロがそう言うと、ミシロの口が裂け、顔がとがり、首が無くなり、胸が細くなる。

 手足が無くなって……。

 そこには、六メートルを超える、白い大蛇が鎌首をもたげていた。


 キョウスケたちは恐怖にかられる。

 自分達が何に食われるのかを理解した。

 ただし、ミシロがここで食すのはキョウスケだけで、トラジとショウタの二人は間接的にミシロの子供達に食べられるのだ。


 キョウスケはおびえる。目の前の大蛇に。

 大きな目。赤く光り縦に割れる瞳孔。裂けた口。赤く小刻みに揺れる舌。

 それがキョウスケを上から見つめている。


 キョウスケは心の中で叫ぶ。声にならないからだが。


(俺が悪かった。何でも言うことを聞く。だから、助けてくれ……)


 しかし、ミシロにはその心は届かない。届いたところでではある。


 ミシロは口を開け、そして、キョウスケの頭に食いついた。


 ング……ング……


 少しずつミシロの口の中に飲み込まれていくキョウスケ。


 頭が、肩が、胸が、胴が、腰が、足が……


 ミシロのその大きな口に少しずつ少しずつ飲み込まれて行く。

 トラジもショウタも、それを見ていることしかできない。


((助けて、助けて、助けて……))


 キョウスケがすべて飲み込まれた時、ミシロの体は大きく膨らんでいた。

 それはそうだ。キョウスケの体は村では大きい方なのだ。

 だが、


 ゴキッゴキッ……


 ミシロの体がひねられるたび、ミシロの中のキョウスケの骨が砕ける音が響く。


((……助けて、助けて、助けて……))


 トラジもショウタも、そればかりを心の中で叫ぶ。


 ゴキッゴキッ……


 キョウスケの骨が折れるたび、ミシロの体が細くなっていく。

 そして、ミシロは人の姿に戻った。


 ミシロは、寝間着ではなく外出用の着物を着た。


「さて、準備しようか」


 ミシロは、子供達にそう言って部屋を出て行った。


 トラジもショウタも変わらず動けないまま恐怖にかられていることしかできない。

 目の前でキョウスケが大蛇に飲み込まれたのだ。

 怖くないわけがない。

 いったい自分達はどうなるのか。同じように飲まれるのか。


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