第九話 死体発見M
自分が犯人ではない証拠なんてあるのか?
それをずっと正成は考えていた
取り敢えず何をすればいいか分からなかったので銀さんに話しかける
「ねえ。僕は何をすればいいかな?」
「そうですね。死体は私が調べておくので部屋の調査をお願いします。」
銀さんが指示を出す
正成はその指示通りに部屋を調べ始めた
まず正成が調べ始めたのは割れた机だ
一つの机が真っ二つに割れてしまっている
金属バットでも使わないとこんなことにはならない
しかし正成は金属バットを持ち出した覚えはない
なら誰の仕業だろう
そう考えても分からなかったので正成は尋ねる
「この机は誰がやったの?」
「恐らく正成さんですね。正成さんは金属バットを持っていましたし...」
銀の発言に少し違和感を持ったが論争で勝てる気はしないので正成は黙ることにした
銀の発言が正しいなら自分がここで金属バットを振るって暴れたということになる
しかし一つおかしい点に気づいた
「あれ?金属バットってどこに行ったの?」
「それは正成さんが持ってるのでは?」
正成はしっかりと自分の体を隅々まで調べたがそんなものは見当たらなかった
まさか誰かが金属バットを持ち出したのか?
そんなことを考えるが正成は考えるだけ無駄だと思った
「ところでそっちは何かわかった?」
正成は考えるのを止めて銀にそう尋ねる
「全くわかりません。死因も何もわかりません。これが誰の血液なのかも。」
「なるほど...ん?それは何?」
正成は仁の首当たりの服の焦げた跡を指差して言う
銀はそれを見てしばらく考える素振りを見せた
「これはスタンガンの痕跡でしょうか...?」
銀は自信なさげに言う
「そうかも!だって琉人君は停電の時にスタンガン持ってたもん!」
「なるほど。これは重要な証拠ですね」
正成は自分が犯人ではない証拠をまず一つ見つけた
そう思い少し喜んだ
スタンガンで人を殺すことはできるのでしょうか?