第六話 STUNGUN
琉人についていくことにした仁は琉人の背中を眺める
なぜ琉人はスタンガンを持っているのか
そんな疑問を仁は抱いた
しかし何故か聞いてはならない気がしたため仁は聞かないことにした
そんなことを仁が考えていると琉人がスタンガンの明かりを消した
「琉人?」
仁が琉人に尋ねる
「悪く思わないでね」
琉人がそう言う
その瞬間仁は何かまずいと悟ったがすでに遅かった
そして仁が次に光を見たときには意識を失っていた
そして琉人は仁を気絶させたのちまたホールへ歩き始めた
正成は真っ暗闇の中で目を覚ます
正成は暗闇に目を慣らしたあと辺りを見渡す
すると食堂であることが分かった
しかし正成が見た食堂は酷い有様であった
机は割れ、壁には穴が大量に開けられている
さらに目の前には倒れている仁が居た
「仁君!大丈夫!?」
正成は仁の体をゆすって尋ねる
しかし返事はない
死んでいる!そう思った正成はホールへ向かった
正成は足が速いためホールに着くのは一瞬であった
するとホールには一つの明かりがあった
スタンガンの明かりのようだ
そこには目を閉じてくつろぐ琉人の姿があった
「琉人君!そっちは大丈夫?」
そう言って正成は琉人に近づくが琉人は避ける
「待って!正成君今何も持ってないよね?金属バットとか...」
琉人は手で正成を制しながら言う
「持ってないよ!」
そう言って両腕をあげる
琉人は注意深く観察した後その手を降ろす
「分かった。じゃあしばらく一緒に居ようか」
琉人はそう言っていつの間にか用意されていたソファーに座った
正成もその隣に座った
「そういえばさっきはどうしたの?」
琉人は正成に尋ねる
そう問われて正成は何を問われたのか分からなかった
「さっきって?僕は気づいたら寝ちゃってたんだ」
正成は正直に答える
「なるほど。仁が何かしたのかもね。」
琉人は真剣な顔をしてそう言う
「何かって言うと?」
正成は琉人に尋ねる
「というのも僕は停電後にスタンガンを取りに行ったんだけど部屋になかったんだ」
「だから仁が奪って正成君を気絶させたのかもしれない」
琉人はそう推理する
「なるほど」
正成は納得した
そんな会話をしていると明かりがついた
ブレーカーを誰かが直したようだ
「よし、じゃあブレーカーの方へ向かおうか。きっと誰かいる」
そう言う琉人に正成は頷いて返事をしてブレーカーのある場所へ向かうのだった
ブレーカーの場所を知っているのは普通でしょうか