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友情なんていらねえよ

サラサをなんとかせねばと決意した三日後、クリスはサラサを訪ねて1-3の教室にいた。


「サラサ!昼に生徒会室に来い」

「はーい」


サラサは俯き、声だけで返事した。

「サラサ、何してる?」

「刺繍です」

「顔をあげろ」

「はーい」

「よし」

なにが、よし、なんだかわからないがクリスは満足そうに去っていった。

サラサは全く気にせずまた刺繍に没頭した。


「え?どゆこと?」


と、教室ではざわ・・・ざわ・・・としたがサラサはどこ吹く風であった。


昼休憩生徒会室


今日はクリスも弁当持参であった。

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「・・・食べるか?」

「ありがとうございます!」

サラサは持参の丸いパンの側面を手で豪快に割って、肉を根こそぎそこに挟んだ。

「遠慮はないのか?」

「へっかくひにをたべらへるひゃんすをなんれじぶんれつふさなひゃならないんれふか」

「そうか、よく噛んで食べろよ」

え?何言ってるかわかったの?


「さて、腹も膨れたところで本題だ。これを見ろ」

サラサは書類を手渡され目を通した。



ダニエル・エイマー(17)

エイマー男爵家嫡男

両親共に健在

妹が1人

幼馴染のキャロライン・アンバー男爵令嬢に想いを寄せているが、キャロラインには婚約者あり。



「どうだ?契約結婚相手に不足はないだろう?」

「そうですね。いいと思います」

「そうか!じゃあ善は急げだ、今日の放課後・・・」

「放課後は用事あるんで明日の昼休憩に面談しましょう」


こうして、契約結婚面談が行われることとなった。



翌日『第一回契約結婚面談』

「僕はキャロラインを愛してるんだ。だけど、キャロラインには生まれた時からの婚約者がいて・・・家同士のことですからどうにもならず・・・」

「なるほど」

「この先キャロライン以外を愛することはできないと思う。だけど僕は嫡男だから」

「ふむふむ、後継についてはどうお考えで?まぁ、白い結婚が理想ですが。私も貴族の端くれの端くれにしがみついてる女です。後継の為にセックスするのもやぶさかではありません」

「ちょ、おま、こら、サラサ!せ、せ、そんな女の子が言っちゃいけません!」

クリスがサラサの肩を掴みガクガク揺さぶる。頭が取れそうである。

ダニエルの熱い想いを聞き、サラサの頭がもげそうになった所で面談は終了した。


二日後『第二回契約結婚面談』


「ダニエル様、キャロライン様のお相手ですが・・・真っ黒です」

「は?」

「三股してます。おまけに賭けポーカーでいくらか借金も作ってるようです」

「え?いや、それほんと?」

「こちらご覧ください」

サラサが渡した資料を読み込むダニエル。

「こ、こんなことって」

「ダニエル様。ヒーローになるなら今です!それがあればキャロライン様を救うことができます」

「ありがとう!ありがとう!」

「キャロライン様とダニエル様は両想いなんですよね?」

「あ・・・いや、それはわからないけど・・・」

「では、助けた挙句振られたなんてことになったら私と契約しましょう」

男泣きするダニエルにサラサはそっと微笑みかけた。





その後、キャロラインは無事婚約を解消しダニエルと新たに婚約を結んだ。

是非お礼がしたいと言われたサラサは


「肉。質より量」


と答えた。



「サラサ、良かったのかい?」

「ん?構いませんよ。不幸な二人が幸せになって良かったじゃないですか」

「そうか。それにしてもあんな情報どこから・・・」

「金持ちには金持ちのパイプがあるように貧乏には貧乏の借金持ちには借金持ちのパイプがあるんですよ」


そう言ってサラサはニヤァと笑った。

やだ、怖いとクリスは身震いした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ヤダ、サラサちゃんってば超有能合理的。 考えてみれば出だしから常識にとらわれない行動力でしたね。惚れそうですw
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