今日見た夢――知りたかった
ある男の妻が死んだ。病気で亡くなった。夜宵に溶けるように命を、炎を消した。
男はとても悲しんだ。悲しんだなんて言葉では表せないほど。
どんなに私が言葉を尽くしても意味がないほど悲しんだ。
憎しみで満ちて、不安で満ちて、悲しみで満ちて―――やはり言葉では表せなくて。
でもそれはたぶん愛情と呼ばれるものだとは確信する。
だから、私は知りたかった。
知りたかったのだ。
知りも理解もできない愛情を確信させた彼女の存在を。
私を救ってくれた彼女の思いを。
だから……。
晴天を仰ぐ。天照がおわすのを拝む。
人には見えず、しかしそれ以外の生には見える神、霊。
けど、それ以外も空に見える。
飛行機である。今の人の技術の結晶の一つである。
ああ。私は思う。
光輝くほどに眩しい、今なお紡がれている命の結晶の陰にいながら私は思う。
何をしているのだろう。
古き山の頂上で、彼女の墓がある地で自問する。
なれど自答は何処。幾星霜の時が過ぎようと答えは見つからず。
私は自問し悶える、苦しむ。
土地神である。
確実に今日読んだ本が影響している夢だった。