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第一章 説明

 まずこの世界は僕らの想像通り魔法があり、数多の種族が生きているアーシラスという世界。

 先ほど見た狼を含め魔物や魔獣、魔人等魔族が存在し、その魔族を従える魔王も存在している。

 魔王がいるということは当然勇者もいるということだけどそこは一旦置いとかれた。



 この世界は地球とは異なり、大きく四つの大陸に分かれており、今現在いるこの場所は四大陸中の三つの大陸が重なる位置にあるサニマの森というところ。


 このサニマの森は魔素(魔法に使うために必要な物で人の体にも巡っているし、通常の空気中にも微量に漂っている)が通常よりも濃く、この森で産まれた生物や訓練を受けた冒険者、魔力の操作に長けた者しか中心部までは来れないとまで言われている森であり、魔素が濃いためにここにいる魔物も能力や魔法が使える個体が多く、それだけ危険な森らしい。


 先ほど見ていたキラキラ輝く大樹はこの世界では精霊の宿木として神聖視されており、大きく美しい湖はリューティ湖、別名清浄の泉と呼ばれているこの水を飲むだけであらゆるケガや病気が治る所謂エターナルポーションの源ともいえる場所らしい。そのためこの水を目当てに冒険者もやってくるとか。


 精霊の宿木はその名の通り精霊が羽休めをしたり、純粋な魔素を取り込み自身を浄化したり、力を蓄えより高位の精霊へ成長を待ったりしている。


 その中でも僕たちが見たキラキラしたシーバルのいう精霊の成りかけというのは精霊が自分の力の一部を切り離し、宿木の葉へ宿すことで新たな精霊の所謂僕たちでいう赤子を作り出すらしい。ここで力を養った精霊の成りかけが成長し、人やエルフ等魔力を使う種族からの呼びかけに応じて宿木から離れて契約を交わして力を貸すようになっているらしい。



 そして僕らが一番知りたかった魔法について。

 基本属性は火、水、土、風、光、闇、無。派生属性で炎、氷、雷、木、音、陽、月がある。

 基本属性は適性があればいくつでも魔力量によって使用は出来るし、適性がなくてもその属性の精霊と契約することで使用も可能となるということ。

 魔力量は産まれた時に決まってはいるが訓練次第で魔力量を増やすことは可能。魔道具によって魔力量を抑えることも出来るらしい。

 属性は基本的には遺伝で親が火に適正があれば子も火に適正があることが多い。そのため高位貴族の中でも最もその属性が得意な貴族は自分の家紋にその属性に関するデザインを加えていると。


 そしてここからが本題だった。


「【まず何故お主らがこの世界に来たかということだが、本来ならばアレが説明しなければいけないのだが、何分後始末に追われているらしい。今後神殿に行ってみれば会えるだろう】」

「神殿…って、アレってさっきから言ってるのは神様ってことか?!」

「【あぁ。この世界の最上級神の一人だな。我はアレが作ったこの世界との通信役のようなものだ。アレから聞いた話ではお主らの身近でこの世界に召喚されそうな人間はいるのか?その人間を低級神が勝手に召喚する際に近くにいたお主らを巻き込み、危うく魂を消滅させられるところだったそうだ】」



 神様に召喚されそうな身近な人間って。

 ユリと顔を見合わせるとお互いに同じ人物を思い浮かべていると感じた。


「|弘輝≪こうき≫、だよね?」

「うん。いや、今まで何度もハーレム系の主人公みたいだと思ってたけど、そう考えると確かにあいつってこういう召喚系で鈍感、ハーレムを築き上げそうなテンプレ要素が多いよな」

「でも、巻き込まれたって…」



 弘輝とは|夏原弘輝≪なつはらこうき≫といって僕ら双子の所謂幼馴染。

小学生くらいまでは一緒にいた記憶はあるけど、性格も会わないし、もう一人の幼馴染というか近所の子(女)が弘輝のことを好きで、一緒にいる僕らを嫌っていたから徐々に関係を持たなくなっていた。

ユリはコミュ力が高い感じだったから適度に距離を置きながら多少僕よりは付き合いがあったみたいだけど、ある事があってからはほとんど関わらないようにしていた。


けれどとにかくハーレム物の主人公並みなスペックを持っていた人だ。


高身長でイケメンでスポーツが得意で勉強は苦手。

幼馴染に可愛い女の子がいて、性格は優しくて正義感が強い。

異性からの気持ちに鈍感で学校中で特に幼馴染、学校の生徒会長、部活の先輩、委員会の後輩等美人や可愛いと評判の女性陣にモテて傍から見ればハーレム状態だった。

だから僕らはハーレム物の主人公だと思っていたわけだけど、そう言えばこういうスペックってテンプレの召喚系の主人公スペックにも似ていることに気づく。


「【その人間を下級の神が気に入り、自分が関係しているこの世界に送り込もうとした。その際に近くにいたお主らはその人間を送り込むための陣に巻き込まれ、アレが気づかなければ魂ごと消滅しかかっていた。ただでさえ目的を伴わない何の使命も持たない別世界の人間を神とはいえ他の世界に干渉させ、更には関係のない人間を消滅させようとしたことは重罪だ。よってアレが後始末をしているわけだ】」


シーバルがやや呆れた声で話してくれたが、つまりは本当にただ巻き込まれて、神様に助けられた状態ということは理解できた。


「あの、…今言っていた目的を伴わない、使命を持たない別世界の人間をということは、目的を伴い、使命を持っている場合は別世界に行くということはあるのですか?」

「【あぁ。生まれつきそういう者が現れる。この世界で言えば例えば勇者であれば勇者と成りうる者の中でも一握りは本当に勇者という使命を持ち、世界を平和に導く目的を持っている。ほとんどの者は使命もなく生きているがな。神はそんな者の道を導き、生きやすくするために自分の分身を操り、多少の加護を与えたり、祝福をする。反対に何も持たない普通の者を無理に指名持ちにすることはその者の魂を捻じ曲げる行為であり、その者が歩む予定だった人生を変えてしまう重罪だ】」



 僕たちが好きだったファンタジーな話。

 でも現実ではこうして普通に生きる人と生まれた時から使命を持って生まれる人がいる。

 もし僕たちが好きな小説とかに当てはめるならどんなモブだろうと巻き込まれたや不慮の事故で世界を渡ったとしてもきっとそれが運命、使命というのに縛られている人もいるのかもしれない。



まぁ、設定が違うからまた別の話なんだけどね。



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