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瑞穂<<<<<デスヘルムト(※ヒロイン度数)

【前回のあらすじ】

・デスヘルムトとアモン、リノベされた大蔵家(賃貸)を占拠。

・瑞穂、蕎麦を食う。

・デスヘルムト、ツンデレ発症。



 アモンと大蔵のふたりは何故か仲良くなっていた。


「ところでアモンさん」

「なんでしょう、賢一様」


 昨日の残りの蕎麦にガーリックをきかせたトマトソースをかけてパスタ風に仕上げたモノを食しながら、大蔵はアモンに尋ねる。

 蕎麦とイタリアンは案外相性がいい。


「デスヘルムト様、出てきませんけど……僕は何を教えたらいいんですかね?」

「そりゃあ……世間の常識とかです。 あの方は一応王子なんで、世間ずれしてますし……貴方は法学部に通ってらっしゃるとか。 常識はお手のもんでしょう」

「…………アモンさんの方が世知に長けてる気がしなくもないですが、まぁわかりました」


 実際のところ、大蔵は非常に常識人ではあるが……そんな彼がふたりを受け入れたのには、アモンが裏技的に賃貸契約を正規に改竄した(※正しい書類契約を、某かの狡い方法で行った)為である。



 権力には逆らえない!

 長いものには巻かれる派!

 それが大蔵賢一だ!!



「園部さんを嫁に、とのご希望のようですが……」

「う~ん、どうなんですかね~?」


 アモンはデスヘルムトの気持ちを些か測りかねていた。確かに彼は瑞穂に対し、ツンデレとしか言えない態度をとってはいるが……物珍しい生き物に対する興味関心の延長に過ぎない気もする。


 デスヘルムトがちょっと変わっているのは今に始まったことではないが、瑞穂の女性としての魅力がアモンにはわかりかねた。


「賢一様……瑞穂様は一体どのようなお方でいらっしゃいますか?」

「ええ……? どのような、って……う~ん、あんな感じですよね……飾り気のない、親しみやすい? 明るくて……剛胆、ちゃっか……いや、しっかり者ですし、ああ! 後、虫とかに強いです!!」


 とりあえず大蔵は瑞穂の良いところを思い付く限り並べ立てた。 並べ立てたのにこんなものしか思い付かないという事実。

 瑞穂の日頃の行いの賜物(※微妙に誤用)である。



「とにかく彼女は非常に魅力的な女性ですよ!!」



 だが大蔵は強引にまとめて推した!


 さっさとデスヘルムト様には魔界へお帰り願いたいのである!!




 大蔵は推すが、瑞穂の魅力はやはりわからないアモン。


(だが……もしかしたらああいうのが流行りなのかもしれない)


 アモンは色々な時代の色々なところにいる。

 流行り廃りは浮き世の定め……美醜や価値観も然り。


 試しに賢一に聞いてみる。


「賢一様のお知り合いで瑞穂様以上に魅力的な方はいらっしゃらないのですか?」

「いや、そんなそんな!!園部さんほど魅力的な女性などなかなかおりませんて!!」


 ウソっぱちである。


 口からでまかせも良いところだが、数少ない女性の知り合い(しかも魅力的に思える位の)を生け贄に差し出すほど大蔵は薄情な男ではない。(※瑞穂はなんとなく大丈夫と想定)


 しかしそんな大蔵に、手痛いしっぺ返しが待っていた。




 ──カシャーン


 物が落ちる音に気付いて振り向くと、そこには小学校からの友人の榊原。


 彼女は身長172㎝のボーイッシュな美人だが『強がってるけど本当は高すぎる身長がコンプレックスなの』というテンプレときめき美少女である。



 高身長コンプレックス強がり似非ヅカキャラ……なんて女子に媚びた女子キャラだ!!



「…………おおけん…………」

「……バラさん?! えっ? なんで?」

「こないだ……酔っぱらって合鍵くれたから」


 皆様お気付きの事とは思うがこの榊原さん、大蔵君の事が好きである。


 大蔵は奥手なため自ら行動に移すタイプではないのだが……先日、酒が入った勢いとその場のノリで合鍵を渡していた。


 勿論『友人として』という保険は忘れない辺り、酔っぱらっていてもあざとい。


 自らの人畜無害面を最大限に活用している。

 流石は大蔵である。



「なんだ……騒々しいな……」


 素晴らしいタイミングでデスヘルムトが部屋から出てきた。

 ちなみにガウンである。



 ──ここで皆様に思い出して頂きたい。



 デスヘルムトは美女にも見える程の、中性的美形だという事実を。



 腰近くまで靡く、艶やかな黒髪。

 透き通るような白い肌。

 くっきりとした鎖骨。


 胸は……ないが、榊原もどちらかというとない方。(※普通よりもちょっと小さい……位にはある)


 しかし……そんなのは問題ではない。

 相手(デスヘルムト)はガウンなのだ!


 つまり、事後!!


『に、見える』!!!!

(↑ここが超重要)



 案の定榊原は『魅力的な園部さん』と『ガウンの美女(※デスヘルムト)』を結びつけた。


 銀髪執事の存在はちょっと意味がわからないが……

 よく考えると諸々おかしいのだが……



 諸々(そんなこと)よりも、ガウンが衝撃的。



「おおけん……友達だからって、簡単に合鍵とか……渡しちゃダメだよ……」

「バラさん! 誤解なんだ……これはっ」


 そこまでで言葉に詰まる大蔵。


 ガウンのデスヘルムト。

 銀髪執事のアモン。

 謎のリノベ。



 ……このカオスをどう説明するべきか。



「じゃ、私、バイトあるから」

「違うんだ! あの人等は人じゃないんだ!!」

「……寝惚けてるの?」

「バラさん! 僕はっ」


 そんな中、


「こんちはー。 大蔵くん、悪いんだけどさーチャリ貸してくんない?」



 更なるカオスが現れた。



 我等がヒロイン(の筈の人)、園部瑞穂……その人である。


続きどうしよっかな……

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― 新着の感想 ―
[良い点] 続きどうしよっかな←行き当たりばったりかい!ww ダメだ、大人しく読もうと思ったのに後書きに突っ込んでしまいました。 これはアレです、間咲さんの作品を読んでる時と同じ現象です。 [一言]…
2022/02/23 15:00 退会済み
管理
[良い点] 右肩上がりで面白い! 登場人物が可愛い! ほぼ全員が勘違い突っ走りでカオス!! [一言] まだ9話ですが、ちまちま読みまーす!!
[良い点] おもしろいぎょぎょぎょ >゜)))彡 ~♪ >続きどうしよっかな…… 楽しみに待ってますよぉ~(*´▽`*)ノシ
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