休日、十日
開口一番の声が
玄関に響き渡れば
来たか、来たかと
高鳴るもので
真っ直ぐに飛んで来る
元気一杯の声は
二番目の行き先と共に
どかりと背中にやって来る
何が、そんなに楽しいのか
愚問であって
休日自体が楽しいことなのである
そして、楽しそうなことをしに
やって来るのである
走り回れるほど広い庭は
何故だか珍しいようで
何の為に広いの?
などと、聞かれてしまった
三番目の疑問符に
苦笑いをする
車の出し入れ云々を
言い出した時には
既に、その疑問に
興味は無くなっていた
紋白蝶を追いかけて
蒲公英を摘んでいる
おいてきぼりの四番目
だが、その成果を見せに
戻って来る
元気な燕のようであった
夕食は闘技場となり
座りなさいと
箸で食べなさいが
繰り返される訓練のようでいて
ちゃんと食べられる子は
素知らぬ顔で食べている
その光景の差が五段はあるようで
個々人の自由が弾けていた
テレビに集中しながら食べて
半分を落としている子
早く食べ上げて
隙間にゲーム時間をねじ込む子
既に眠たくて
頗る機嫌が悪い子
子ら六人が
ガヤガヤする中で
楽しく食べるのは
一種の宴であった
お開き、お開きと
歩いて数歩の家の間を
おやすみなさいの声と
涼やかに感じる風と
一緒に歩いて行く
七つの星が見えたから
少し立ち止まり
煙草に火をつける
煙の先で
蛾が逃げて行く
約八分の時間は
祭りの後に出る残煙のようで
解放と束縛の味がする
風呂上がりに
明日の朝は九時ごろから
煩いかもしれないと
連絡が来た
休日であるから
早起きは得だろうと思う
それより前に
起きていれば良いのだから
いつもよりゆっくりである
大丈夫と返信をしておいた
有意義に時間を使うより
自由に時間を使った方が良い
十パターンほど
有意義な時間を作ったが
行き着く先は
そこであった
明日も元気な声が
聞こえるだろう