五匹目 ~(転生指導室 C・>
転生までが、長い!
《天暦※※※※※※年 α月 Ω日 修羅の半刻》
「今からキミには、異世界転生をしてもらいます」
「やったー」
謎の部屋。
その中で、高校の友達かのようなやり取りが行われていた。
.........現役時代、まともに友達と呼べる人間はゼロだったがな!
.........いいんだもん!
これから異世界行くのに、心残りあったら、スッキリしないし!
俺がひとしきり自分を正当化した頃、彼が切り出した。
「えーとですね、キミは今から、異世界に行きます」
「決定事項なのね」
「嫌なのかい?」
「とんでもない! あ、でも」
「? なんだい?」
「あの~、どういう異世界なんですか?」
「ザ、異世界だよ?」
いや、それだけじゃ分からんわい!
「えっと、所謂、《スキル》とか、《ジョブ》とか、そういうの、ある?」
「あるあるー」
「.........マジで?」
「まじまじー」
「やっほい!」
やったね!
来ました、これは来ましたよー!
俺の大好きなパターンのやつだ!
あまりの嬉しさに、小躍りしていると、彼が怪訝な顔をしていた。
あ、そうだ。
「あの、さ、脳内の呼び方困るから、名前......」
「ダメ」
「.........ダメ?」
「小首を傾げて可愛らしくやっても、ダメ。第一可愛くない」
「辛辣ぅ」
ケチ。
そっぽを向いた俺に、少し困ったように、彼は声をかける。
「いや、教えたい教えたくないとかじゃないんだけどね~。神の掟があるのさ」
「お前、まだ神じゃないんだろ?」
「神と神を目指す者の掟があってね~」
ふーん。
じゃあ、仕方ない。
「とは言え、優等生のボクは早く終わらせたいんだけど、多少良心の呵責に苛まれているのも、事実」
しれっと自慢を盛り込んできたことには、目をつぶる。
むむむ、と考えながら、彼はポツリポツリと言葉を漏らす。
「よしわかった。キミには、ボクからの温情をあげよう」
少しだけ、俺に対して優しくなったのだった。
.........別にそんなに知りたかったわけじゃないけど、とは言わないけども、な。
ご感想お待ちしております!




