四匹目 ~(第一神族養成学校 C・>
短く早く。
このシステム、供給早く出来ていいですね。
《天暦※※※※※※年 α月 Ω日 修羅の刻》
「第一神族養成学校、略して『ダイイチ』。分かる?」
謎の部屋の中、背格好が俺とそう変わらない、少年が告げた。
いや、話の流れからすると、『少年』では無いのかも。
って言うか、そんな幼稚園児に接するみたいに言わなくても、分かるけど。
略称だってのは、一瞬で察しがついた。
問題はそこじゃねー。
「え? ちょっ、まっ、え? 神って言った?」
「言ったよ」
「なにそれどこのファンタジー?」
「現実なんだよなぁー」
えぇー。
ま、いいや。
要するに、最近はやりの異世界転生するってことだろ?
問題はそれ以外にもある。
「って、モルモットってなんなんだよ?
いくら温厚な俺でも、怒る時は怒るぞ?」
「あ、それはちょっと語弊があったかな。大丈夫。解剖したり、変なもの打ち込んだりはしないから」
「お、おお。そうなのか」
ちょっぴり安心。
「じゃあ、何されるんだ、俺は?」
「練習台」
「練習台?」
「そそ。練習台」
それだけじゃ分からん。
「んーとね、ボクの通ってる『ダイイチ』は、かなりハイレベルでね」
「なにそれ自慢?」
「いいから、聞いて。......んで、ウチは学生の研修でも、ハイレベルなのさ」
「ふんふん」
「だから、ただの神候補生のボクが、キミの相手をしてるって訳」
「へー」
なるほど、そうだったのか。
現代日本に住んでいた俺には、正直よく分からん話ではあったが。
「俺は結局、お前にどうされるんだ?」
「えーと、最近さ、異世界転生って、流行ってんじゃん?」
「おお」
「でもさ、人が死ぬ度、毎回毎回案内してたらキリがないじゃん?」
「まあな」
それはそれは多くの人が働くことになるだろう。
「でさ、正直、それだけに時間割いてらんないから、大規模な事故なんかの時は、ウチみたいなハイレベルに、研修として回ってくるのさ」
「つまり?」
「今からキミは、異世界転生をします」
「しれっと言うな」
雰囲気も何も無い始まり方だった。
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